未知谷の刊行物【海外文学 / チェーホフ・コレクション】



 
中二階のある家 ある画家の物語
アントン・P・チェーホフ 著 / 工藤正廣 訳・解説 / マイ・ミトゥーリチ 絵
四六判96頁 1,400円(税別)
ISBN4-89642-100-0 C0097



チェーホフ没後100周年記念出版
チェーホフの短篇でどうしても一篇を推薦せよと言うなら「中二階のある家」が挙げられるであろう
 
人生はこの一瞬に……
画家と富裕地主の娘と
夢のような恋――
過酷な農奴解放の時代に
永遠の乙女像を描いた
優雅で魅力的な短篇
 
チェーホフの詩情
ステーピ(大草原)への憧れ
ロシア農民の魂は
至純の美しさを湛えた
優しい挿絵を新たに得て
日本語オリジナルの
瀟洒な一冊となった
 
「中二階のある家」という幸せのシンボルは時代の中で壊れて行くだろうし、とどめようがないだろう。チェーホフは鋭いアイロニーの世界と同時に、夢のような短篇、ロマンチックな夢を、作品として独立させたかっただろう。夢幻の詩情。それはまたロシア文化が肉体派でありながら、秘かに頼りにしてきた純粋さなのだろう。(解説より)


目  次

I かれこれ六、七年前の

II 私はヴォルチャニーノフ家に
15 
III マロジョモヴォに公爵が
29 
IV 戸外は静かだった
41 

51 
解説エッセイ(冬のチェーホフ/「中二階のある家」のプロセス/発表当時の反響/モデルさがし/闘うチェーホフ/あとがき)
53 

アントン・P・チェーホフ
[Anton Pavlovich Chekhov]

1860年1月17日、南ロシアのタガンローグで食料雑貨商の子として生まれる。古典中学の頃から苦学を重ね、モスクワ大学医学部在学中も家計を助ける為、ユーモラスな短篇を多数の雑誌に発表。'90年のサハリン旅行、'92年の飢餓者救援運動への参加等、社会的関心も高く、胸の病いを抱えつつ社会活動や多彩な創作を展開した。「ステーピ」「サハリン島」「中二階のある家」「可愛い女」「犬を連れた奥さん」等の中・短篇の他、四大戯曲といわれる「かもめ」「ワーニャ伯父さん」「三人姉妹」「桜の園」等がある。市井に取材し、ありふれた出来事の中に人生の深い意味を描く作品が多く、後期には社会の醜くさを描きながら明るい未来を予感させる作品もある。1904年7月2日、ドイツのバーデンワイラーで客死
 
マイ・ミトゥーリチ=フレーブニコフ
現代ロシアグラフィック派の創始者ピョートル・ミトゥーリチと母ヴェーラの第一子として1925年モスクワに生まれる。父母の温かい愛と芸術の指導、ロシア未来派の代表的詩人である伯父フレーブニコフの精神的影響等を受け、優れた芸術家となる。作品はロシアの主要美術館はもとより日本、ブルガリア、ドイツ、アメリカ等で収蔵されている。絵本や物語の挿絵も多く手掛けている。
 
工藤正廣 [くどう まさひろ]
1943年青森県黒石生まれ。
北海道大学卒。現在同大学教授。
ロシア文学者・詩人。
著書に『パステルナーク 詩人の夏』『ドクトル・ジバゴ論攷』『ロシア/詩的言語の未来を読む』『TSUGARU』『ロシアの恋』などがあり、訳書にパステルナーク詩集『初期』『バリエール越え』『わが妹人生』『晴れよう時』、フレーブニコフの物語詩『シャーマンとヴィーナス』等多数がある。

チェーホフ・コレクション
[カシタンカ]
[ロスチャイルドのバイオリン]
[チェーホフとの恋]
[大学生]
[可愛い女]
[たわむれ]
[北ホテル48号室 チェーホフと女性たち]
[すぐり]
[少年たち]
[いいなずけ]
[箱に入った男]
[僧正]
[恋について]
[泥棒たち]
[谷間で]
[黒衣の修道僧]
[チェーホフ自身によるチェーホフ]
[首にかけたアンナ]
[エゴール少年 大草原の旅]
[モスクワのトルゥブナヤ広場にて]
[ワーニカ]
[チェーホフのこと]
[チェーホフさん、ごめんなさい!]
[チェーホフの生涯]
 
小社刊の工藤正廣の著作物
[TSUGARU (つがる)――物語の声・文体論レッスン――]
[ロシアの恋]
[片歌紀行 今に生きる建部綾足]
[永遠と軛 ボリース・パステルナーク評伝詩集]
[アリョーシャ年代記 春の夕べ]
[いのちの谷間 アリョーシャ年代記2]
[雲のかたみに アリョーシャ年代記3]
[郷愁 みちのくの西行]
[西行抄 恣撰評釈72首]
[チェーホフの山]
[〈降誕祭の星〉作戦 ジヴァゴ周遊の旅]
[1187年の西行 旅の終わりに]
[ポーランディア 最後の夏に]
[没落と愛 2023 РАЗОРЕНИЕ И ЛЮБОВЬ 2023г.]
 
小社刊の工藤正廣関連の著作物
[シャーマンとヴィーナス]
[蒼ざめた馬 漆黒の馬]
[夕べ ヴェーチェル]
[機械と狼]
[ユリウシュ・スウォヴァツキ詩抄]
[]
 
小社刊の工藤正廣関連の著作物 [パステルナーク詩集]
[わが妹人生 1917年夏]
[初期 1912―1914 あるいは処女詩集から]
[バリエール越え 1914―1916]
[晴れよう時 1956―1959]
[早朝列車で 1936―1944]
[第二誕生 1930―1931]
[主題と変奏 1916―1922]
[リュヴェルスの少女時代]
[物語]
[パステルナーク全抒情詩集]
[ドクトル・ジヴァゴ]


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中二階のある家 ある画家の物語
アントン・P・チェーホフ 著
1,400円(税別)

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