未知谷の刊行物【海外文学】



 
機械と狼
ボリース・ピリニャーク 著 / 川端香男里・工藤正廣 共訳・解説
四六判上製400頁 3,200円(税別)
ISBN978-4-89642-290-0 C0097



ロシア革命の同伴者として
無機的な統計学の資料と
奇妙な事件や人々の生活を
その場面場面を詳細に描く、
新社会建設の力と
原初的農民の力を
機械と狼に象徴させて描く、
ソヴィエト革命の生きた外典!
ロシアの心性も見えて来る!!


目  次

  [まえがき]

序言
10 
 第一の断片
10 
 百姓についての断片、《小説のための前提について》の章から
20 
 イワン・アレクサンドロヴィチ・ニェポムニャシチイ、統計学者、《小説の登場人物および著者たちのリスト》(主人公、善人や悪人、住民その他のリスト)の章から
28 
物語のプラン外の篇
34 
 ユーリイ・ゲオルギエヴィチ・ロスチスラフスキイ(兄)の死
47 
 狼について、《狼の餌について》の章から
74 
 共産自治体《農民》、《葬儀社の倉庫》の章から
97 
本論の篇 背骨のウチーン
114 
 機械、《狼の餌について》の章から
114 
 カクテ――夜――在ッタ――痛ミノナカノ背骨
129 
 背骨のなかのプチーン
134 
 郭公
144 
 技師アンドレイ・ロスチスラフスキイ――馬追い女マリヤ
150 
 メモ
161 
 存在しなかった会話
204 
 鋳鉄の鋳造
211 
現実のように幻想的な本篇、ウチーンのなかのプチーン
217 
 都市、黒パンについての小説から、俗物どもの国々
225 
 百姓の章、黒パンについて、俗物どもの国
234 
 清算についての章、リャザン・リンゴについての物語から
260 
 七月の苺、大きな虚偽についての物語――
291 
 イワン・アレクサンドロヴィチ・ニェポムニャシチイの最後の清算について
  イワン・アレクサンドロヴィチについて、もろもろのことについての章
295 
名称なき最終部
342 
  解説
373 
  再刊に寄せて 川端香男里
379 
  思い出のピリニャーク 工藤正廣
383 

ボリース・ピリニャーク [Борис Пильняк] (1894―1938)
1920年モスクワ商科大学卒。短篇『春に』(1909)、『一生涯』(1915)などの初期作品には自伝的要素が濃い。革命時18〜19年の国内戦を題材にした長篇『裸の年』(1922)で注目された。革命を大地の生命力にあふれた農民と、衰弱した地主貴族文化との対立ととらえる思想で物議を醸した。『消されない月の話』(1926)はスターリンをモデルにしたことで掲載誌没収。ベルリンで刊行された『マホガニー』(1929)も攻撃され反ソ作家として文壇から追放、37年逮捕され、38年銃殺。他に本書(1925)、『イワン・モスクワ』(1927)、『ヴォルガはカスピ海に注ぐ』(1930)などがある。現在は名誉を回復されている。
 
川端香男里 [かわばた かおり]
1933年東京生まれ。東京大学卒。パリ大学留学などを経て東京大学、中部大学教授、川村学園女子大学副学長を歴任。元・NHKラジオロシア語講座講師。現在、川端康成記念会理事長。著書に『ユートピアの幻想』(1971)等、訳書にチェーホフ『桜の園』「世界文学全集」(1968)、プーシキン『大尉の娘ほか』「世界文学全集」(1969)等、著書・訳書共に多数。
 
工藤正廣 [くどう まさひろ]
1943年青森県黒石生まれ。北海道大学卒。現在同大学名誉教授。ロシア文学者・詩人。著書に『パステルナーク 詩人の夏』『ドクトル・ジバゴ論攷』『ロシア/詩的言語の未来を読む』『新サハリン紀行』『TSUGARU』『ロシアの恋』『片歌紀行』等、訳書にパステルナーク抒情詩集全7冊、ロープシン『蒼ざめた馬 漆黒の馬』、フレーブニコフ『シャーマンとヴィーナス』、アフマートワ『夕べ』、チェーホフ『中二階のある家』等多数。

小社刊の工藤正廣の著作物
[TSUGARU (つがる)――物語の声・文体論レッスン――]
[ロシアの恋]
[片歌紀行 今に生きる建部綾足]
[永遠と軛 ボリース・パステルナーク評伝詩集]
[アリョーシャ年代記 春の夕べ]
[いのちの谷間 アリョーシャ年代記2]
[雲のかたみに アリョーシャ年代記3]
[郷愁 みちのくの西行]
[西行抄 恣撰評釈72首]
[チェーホフの山]
[〈降誕祭の星〉作戦 ジヴァゴ周遊の旅]
[1187年の西行 旅の終わりに]
[ポーランディア 最後の夏に]
[没落と愛 2023 РАЗОРЕНИЕ И ЛЮБОВЬ 2023г.]
[幻影と人生 2024 ВИДЕНЬЕ И ЖИЗНЬ 2024г.]
[ユゼフ・ローザノフ 青春の終わりに]
 
小社刊の工藤正廣関連の著作物
[シャーマンとヴィーナス]
[中二階のある家 ある画家の物語]
[蒼ざめた馬 漆黒の馬]
[夕べ ヴェーチェル]
[ユリウシュ・スウォヴァツキ詩抄]
[]
 
小社刊の工藤正廣関連の著作物 [パステルナーク詩集]
[わが妹人生 1917年夏]
[初期 1912―1914 あるいは処女詩集から]
[バリエール越え 1914―1916]
[晴れよう時 1956―1959]
[早朝列車で 1936―1944]
[第二誕生 1930―1931]
[主題と変奏 1916―1922]
[リュヴェルスの少女時代]
[物語]
[パステルナーク全抒情詩集]
[ドクトル・ジヴァゴ]


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冊数
機械と狼
ボリース・ピリニャーク 著
3,200円(税別)

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