|
|
|
|
満ちみてる生
|
ジョン・ファンテ 著 / 栗原俊秀 訳
|
四六判上製224頁 2,500円(税別)
|
ISBN978-4-89642-512-3 C0097
|
|
|
ひとりの男とその妻が、元気な男の子の親になるまでの日々を描いた、最高に愉快な物語
ハリウッドの脚本家だった30代の経験――白蟻に床を抜かれた家、頼った煉瓦積み工の父はイタリア移民第一世代らしくがさつで頑固。妻は出産前にカトリックへの改宗を望み、無信仰になっていた自分は幼い日の信仰へは戻れない……。父になる喜びと息子の立場を失う哀しみ、父母と妻、そして新しい命、それぞれの生を成熟したユーモアが包む生の讃歌。自ら脚色した映画も大成功した心温まる傑作。
「斬新な比喩表現によって鮮烈なイメージを喚起することがあり、読者を飽きさせない。さらにファンテならではのユーモアも相まって、読後いい作品だったなあと感慨にふけること間違いのない作品が生まれた(……)作家としての成熟を窺わせる」(伊藤章さん、『図書新聞』2017年1月21日号)
|
|
|
目 次
|
頁
|
1
|
5
|
2
|
38
|
3
|
78
|
4
|
106
|
5
|
124
|
6
|
141
|
7
|
156
|
8
|
170
|
9
|
182
|
訳者あとがき
|
205
|
ジョン・ファンテ [John Fante]
1909年、コロラド州デンバーにて、イタリア人移民家庭の長男として生まれる。1932年、文藝雑誌《The American Mercury》に短篇「ミサの侍者」を掲載し、商業誌にデビュー。以降、複数の雑誌で短篇の発表をつづける。1938年、初の長篇小説となるWait Until Spring, Bandini(『バンディーニ家よ、春を待て』栗原俊秀訳、未知谷、2015年)が刊行され好評を博す。その後、長篇第二作Ask the Dust(1939年。『塵に訊け!』都甲幸治訳、DHC、2002年)、短篇集Dago Red(1940年。『デイゴ・レッド』栗原俊秀訳、未知谷、2014年)と、重要な著作を立てつづけに刊行する。ほかの著書に、Full of Life(1952年。本書)、The Brotherhood of the Grape(1977年)など。小説の執筆のほか、ハリウッド映画やテレビ番組に脚本を提供することで生計を立てていた。1983年没。享年74歳。
栗原俊秀 [くりはら としひで]
1983年生まれ。京都大学総合人間学部、同大学院人間・環境学研究科修士課程を経て、イタリアに留学。カラブリア大学文学部専門課程近代文献学コース卒(Corso di laurea magistrale in Filologia Moderna)。訳書にジョルジョ・アガンベン『裸性』(共訳、平凡社)、アマーラ・ラクース『ヴィットーリオ広場のエレベーターをめぐる文明の衝突』、メラニア・G・マッツッコ『ダックスフントと女王さま』、ジョン・ファンテ『バンディーニ家よ、春を待て』、カルミネ・アバーテ『偉大なる時のモザイク』(未知谷)などがある。
メールアドレス:lettere@kuritalia.com
|
|