未知谷の刊行物【海外文学】



 
ダックスフントと女王さま
メラニア・G・マッツッコ 著 / 栗原俊秀 訳 / 長野順子 絵
四六判上製144頁 1,800円(税別)
ISBN978-4-89642-427-0 C0097



23ヶ国で翻訳紹介されているイタリアの実力派女流作家
本邦初紹介!!

 
本書の主役であるダックスフントのプラトーネは、この作家の筆がこれまでに生み出してきたさまざまな人物たちと、はっきりした共通点を持っています。それは、「お話」にたいする情熱です。マッツッコの小説にはいつも、物語をこよなく愛する、(やや過剰な)想像力に恵まれた人物が登場します。「物語」を紡ぐ想像力が、現実の生に働きかけ、現実の生を創り変え、そうして「歴史」を編んでいくありようが、彼女の作品には強く深く刻み込まれています。……「たくさんのお話」を知っている、「言葉と思索だけ」が財産のプラトーネは、マッツッコの小説世界に住まうにふさわしい、小さな小さな哲学者です。女王の生を変えたプラトーネの「お話」は、オウムの「わたし」が飛び去ったあとも、甘く、優しく、いつまでもつづいたに違いありません。そして、やがて二匹が犬の神さまのアヌビスを訪ねるころ、ともに過ごした時間は、たくさんの物語の記憶に彩られながら、ひとつの歴史を築いていることでしょう。
(「訳者あとがき」より)


目  次

ダックスフントと女王さま

訳者あとがき
131 

メラニア・G・マッツッコ [Melania G. Mazzucco]
1966年、ローマに生まれる。小説家。1996年、『メドゥーサのキス』でデビュー。20世紀初めにアメリカに移住した、南伊カラブリア州生まれの祖父の経験を描いた『ヴィータ』(2003年)で、ストレーガ賞受賞。ほかの作品に、『かくも愛された、彼女』(2000年、ナポリ賞受賞)、『ある完全な一日』(2005年、フェルザン・オズペテク監督により同タイトルで映画化)、『天使の待ちぼうけ』(2008年、バグッタ賞受賞)『リンボ』(2012年、エルサ・モランテ賞受賞)などがある。小説のほかに、16世紀ヴェネツィアに生きた画家ティントレットの伝記(『ジャコモ・ティントレットと息子たち:あるヴェネツィアの一家族の歴史』2009年、ベネデット・クローチェ賞受賞)を著している。
 
栗原俊秀 [くりはら としひで]
1983年生まれ。カラブリア大学文学部卒。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程在籍。訳書にジョルジョ・アガンベン『裸性』(共訳、平凡社)、アマーラ・ラクース『ヴィットーリオ広場のエレベーターをめぐる文明の衝突』『マルコーニ大通りにおけるイスラム式離婚狂想曲』(未知谷)がある。

小社刊の栗原俊秀関連の著作物
[ヴィットーリオ広場のエレベーターをめぐる文明の衝突]
[マルコーニ大通りにおけるイスラム式離婚狂想曲]
[デイゴ・レッド]
[バンディーニ家よ、春を待て]
[偉大なる時のモザイク]
[帰郷の祭り]
[満ちみてる生]
[犬と負け犬]
[ロサンゼルスへの道]
[塵に訊け]
[足し算の生]


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ダックスフントと女王さま
メラニア・G・マッツッコ 著
1,800円(税別)

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