未知谷の刊行物【海外文学】



 
帰郷の祭り
カルミネ・アバーテ 著 / 栗原俊秀 訳
四六判上製224頁 2,500円(税別)
ISBN978-4-89642-505-5 C0097



和解へと昇華された移民文学!
500年を超えて強いられる逃避行、
その怒りを祭りの炎に抛擲!!
 
移住先の社会で味わう疎外感が、記憶のなかの祖国の美化につながり、ナショナリズムの培地を生み出す。これは、移住という経験が持つ普遍的な側面のひとつである。……出稼ぎ移民は、移住先と故郷のあいだ、「過去」と「未来」のあいだを絶えず行き来し、空間のなかにも、時間のなかにも、安住すべき場所を見つけられずにいる。……アバーテは、過去へ向けられた祖母の眼差しと、現在へ向けられた少年の眼差しのなかで、ホラの始祖と現代の移民の声を共振させている。……移住はかつてのアバーテにとって、怒りとともに書くべき主題にほかならなかった。けれど著者は、移住をめぐる文学を書きつづけるうち、「旅立ちを強いられた者」の宿命を愛し、認めることを学んでいく。少年の自己形成の物語には、アバーテ文学の深化と成熟が反映されている。(「訳者あとがき」より)


目  次

第一部
 



13 

18 

25 

33 
第二部
 

39 

49 

56 
第三部
 

66 

74 
10
82 
11
87 
第四部
 
12
95 
13
100 
14
108 
15
115 
16
123 
第五部
 
17
129 
18
134 
19
142 
20
148 
21
155 
第六部
 
22
162 
23
171 
24
178 
25
182 
著者あとがき
193 
訳者あとがき
201 

カルミネ・アバーテ [Carmine Abate]
1954年生まれ。出生地のカルフィッツィ(カラブリア州クロトーネ県)は、南イタリアに点在するアルバニア系住民(アルバレシュ)の共同体のひとつ。南伊プーリア州のバーリ大学を卒業後、ドイツに移住。1984年、ドイツ語による短篇集『かばんを閉めて、行け!(Den Koffer und weg!)』を発表し、作家としてデビュー(1993年、同作のイタリア語版『壁のなかの壁(Il muro dei muri)』を刊行)。1990年代半ばに北イタリアのトレント県に移住し、現在にいたるまで同地で生活を送る。La festa del ritorno(2004年。本訳書)や Il mosaico del tempo grande(2006年。『偉大なる時のモザイク』栗原俊秀訳、未知谷、2016年)など、架空のアルバレシュ共同体「ホラ」を舞台にした作品を複数手がけている。2012年、La collina del vento(『風の丘』関口英子訳、新潮社、2015年)でカンピエッロ賞を受賞。最新作は、「ホラ」とアメリカを舞台にした移民たちの物語『待つ幸福(La felicità dell'attesa、2015年)』。
 
栗原俊秀 [くりはら としひで]
1983年生まれ。京都大学総合人間学部、同大学院人間・環境学研究科修士課程を経て、イタリアに留学。カラブリア大学文学部専門課程近代文献学コース卒(Corso di laurea magistrale in Filologia Moderna)。訳書にジョルジョ・アガンベン『裸性』(共訳、平凡社)、アマーラ・ラクース『ヴィットーリオ広場のエレベーターをめぐる文明の衝突』、メラニア・G・マッツッコ『ダックスフントと女王さま』、ジョン・ファンテ『バンディーニ家よ、春を待て』、カルミネ・アバーテ『偉大なる時のモザイク』(未知谷)などがある。

小社刊のカルミネ・アバーテの著作物
[偉大なる時のモザイク]
 
小社刊の栗原俊秀関連の著作物
[ヴィットーリオ広場のエレベーターをめぐる文明の衝突]
[マルコーニ大通りにおけるイスラム式離婚狂想曲]
[ダックスフントと女王さま]
[デイゴ・レッド]
[バンディーニ家よ、春を待て]
[満ちみてる生]
[犬と負け犬]
[ロサンゼルスへの道]
[塵に訊け]


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帰郷の祭り
カルミネ・アバーテ 著
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