未知谷の刊行物【国内文学】



 
美しい記憶 芝木好子アンソロジー
芝木好子 著 / 山下多恵子 編
四六判上製272頁 3,000円(税別)
ISBN978-4-89642-665-6 C0093



芸術・芸能への一途な憧憬、絡み合う男女の愛
 
主人公の芸に向かう態度がリアルであるのは、芝木がひとりひとりに歴史を背負わせているからである。彼女たちは時代を超えて脈々と受け継がれてきた美と対峙し、それを次の時代につなごうとしている。……
主人公が読者を引きつけるのは、一芸を貫く強さを持っているからだけではない。……芸に対してと同じく、恋に対してもいちずである。燃え立つような熱く甘い日々があり、ふとした感情のもつれから暗くせめぎ合う日々もある。時に共鳴し合い、時に不協和音を奏でながらすすんでいく、一筋縄ではいかない男女の関係が、芸と絡めて描かれる。
芸と恋の間で、……弱くも強くも見えるその様子は、「男」に振り回され、流されているようにも見える。しかしいつまでも男に寄りかかり、任せきってはいない。最後は自ら選んでいる。自覚と覚悟を持って、「女」を「芸」を生きているのである。――それが芝木の描く女性像である。そしてそれは文学に生きた作家芝木好子その人自身とも重なる。(「解説」より)


目  次

はじめに

本書の構成について

ゴッホの墓

  essay ゴッホ「オーヴェールの教会」
32 
本郷菊坂
35 
  essay 樋口一葉「うらむらさき」
52 
竹富島
55 
  essay 沖縄の紅型(抄)
76 
舞扇
81 
  essay 美とのふれあい
105 
ふたたび
109 
  essay サンモリッツの眺め
131 
美しい記憶
135 
  essay 仲秋の名月
163 
青磁砧
165 
  essay 青磁のやきもの
251 
解説
255 
底本
270 

芝木好子 [しばき よしこ]
1914年、東京生まれ。1942年、「青果の市」で第14回芥川賞を受賞。昭和という激動の時代を背景に、愛すること・生きることにひたむきな女性を、愛情と共感を込めて描いた。特飲街に生きる女性たちに心を寄せた『洲崎パラダイス』、自らの血脈をたどる「湯葉」(女流文学者賞)「隅田川」「丸の内八号館」、愛と美を求めて苦悩しつつも前を向く女性たちを、つややかな筆致で描いた『青磁砧』(女流文学賞)『隅田川暮色』(日本文学大賞)『雪舞い』(毎日芸術賞)など。1986年勲三等瑞宝章(没後勲二等瑞宝章)を受章。日本芸術院会員。文化功労者。1991年没。
 
山下多恵子 [やました たえこ]
1953年、岩手県雫石町生まれ。
国際啄木学会理事。日本ペンクラブ会員。日本近代文学会会員。
著書に『海の蠍』『忘れな草』『裸足の女』『啄木と郁雨』『朝の随想 あふれる』『かなしき時は君を思へり』。編書に『土に書いた言葉 吉野せいアンソロジー』、『おん身は花の姿にて 網野菊アンソロジー』『恋する昭和 芝木好子アンソロジー』(未知谷)がある。

小社刊の芝木好子の著作物
[恋する昭和 芝木好子アンソロジー]
 
小社刊の山下多恵子の著作物
[海の蠍(さそり) 明石海人と島比呂志 ハンセン病文学の系譜] (旧版・品切れ)
[忘れな草 啄木の女性たち]
[裸足の女 吉野せい]
[啄木と郁雨 友の恋歌 矢ぐるまの花]
[増補新版 海の蠍(さそり) 明石海人と島比呂志 ハンセン病文学の系譜]
[朝の随想 あふれる]
[かなしき時は君を思へり 石川啄木と五人の女性]
[さびしさを紡ぐ ハンセン病を生きるということ]
 
小社刊の山下多恵子関連の著作物
[土に書いた言葉 吉野せいアンソロジー]
[おん身は花の姿にて 網野菊アンソロジー]


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美しい記憶 芝木好子アンソロジー
芝木好子 著/山下多恵子 編
3,000円(税別)

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