未知谷の刊行物【国内文学】



 
忘れな草  啄木の女性たち
山下多恵子 著
四六判上製256頁 2,400円(税別)
ISBN4-89642-170-1 C0095



石川啄木27年の生涯を通過した五十余人の
女性たちを網羅的に紹介する(第一部)

「我を忘るな」の意のドイツ語である。
啄木は創作ノートに上手な筆記体でこの文字を書き、その下に、彼が出会った女性たちの名前を土地別に書き連ねている。この語はまた「忘れな草」も意味する。啄木の人生を彩った女性たちを、啄木の「忘れな草」たちを、書いていきたい。(はしがき)
 
生前多くを語ることのなかった啄木の妻節子に
あふれる思いを語らせる憑依の対談(第二部)

節子に会いたくなった。会って、聞いてあげたかった。だれにも言えずに逝ってしまった彼女の、胸に渦巻く思いのたけを。薄幸の人生と引き換えのように「啄木の妻」としての名を残した節子に。もとより架空のものではあるが、虚構といってしまうにはあまりに近くまで節子がやってきたように感じている。(はしがき)


目  次

はじめに――漂泊と思郷と

第一部 啄木の女性たち
1 堀田秀子/2 橘智恵子/3 高橋すゑ/4 小奴/5 梅川操/6 植木貞子/7 菅原芳子/8 与謝野晶子/9 管野すが/10 上野さめ子/11 瀬川愛子・もと子/12 田中久子・英子/13 桜庭ちか子/14 市子/15 小静・小蝶/16 平山良子/17 塔下苑の女たち/18 福井しん/19 土井八枝/20 夏目鏡子/21 金田一静江/22 阿部梅子・松子/23 金田一りう子/24 立花さだ子/25 奥山絹子/26 佐藤ふぢの/27 板垣玉代/28 金矢信子/29 金矢りう子・タツ/30 小沢糸子/31 関しげ/32 堀合孝子/33 堀合ふき子/34 田村イネ/35 田村サダ/36 山本トラ/37 三浦光子/38 石川カツ/39 石川京子/40 石川房江/41 石川節子/42 その他の女性たち/43 女性たちの啄木

第二部 節子に聞く
163 
あとがき――郷愁と自愛と
243 
参考文献
 

山下多恵子 [やました たえこ]
1953年岩手県雫石町生まれ。高校教諭を経て、現在長岡工業高等専門学校非常勤講師。日本近代文学会会員。国際啄木学会会員。『北方文学』同人。『火山地帯』同人。著書『海の蠍 明石海人と島比呂志 ハンセン病文学の系譜』(2003年 未知谷)
2002年2月より『盛岡タイムス』に「忘れな草 啄木の女性たち」(全56回)を連載。2004年3月より『新潟日報』に「島比呂志からの手紙 らい予防法を越えて」(全25回)を連載。

小社刊の山下多恵子の著作物
[海の蠍(さそり) 明石海人と島比呂志 ハンセン病文学の系譜] (旧版・品切れ)
[裸足の女 吉野せい]
[啄木と郁雨 友の恋歌 矢ぐるまの花]
[増補新版 海の蠍(さそり) 明石海人と島比呂志 ハンセン病文学の系譜]
[朝の随想 あふれる]
[かなしき時は君を思へり 石川啄木と五人の女性]
[さびしさを紡ぐ ハンセン病を生きるということ]
 
小社刊の山下多恵子関連の著作物
[土に書いた言葉 吉野せいアンソロジー]
[おん身は花の姿にて 網野菊アンソロジー]
[恋する昭和 芝木好子アンソロジー]
[美しい記憶 芝木好子アンソロジー]


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冊数
忘れな草 啄木の女性たち
山下多恵子 著
2,400円(税別)

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