未知谷の刊行物【国内文学】
土に書いた言葉
吉野せいアンソロジー
吉野せい 著 / 山下多恵子 編・解説
四六判上製256頁 2,400円(税別)
ISBN978-4-89642-253-5 C0093
吉野せいの作品と人生に寄り添い、
女性ならではのひたむきな視点から読解した
評論『
裸足の女
』(小社刊)。読者から多数寄せられた
“もう一度、吉野せいと出会いたい!”との声に応え、
その著者が厳選した14篇+短歌3首
「彼女の書きたい気持ちを見抜いたのは草野心平である。書けよ、と半ば命令されて書いたものに、串田孫一が発表の場を与え、世に送り出した。
(中略)
なんという切実な言葉に私たちは出会うことだろう。そこには生きていくうえで直面する様々な問題についての、いくつもの問いと答えがある。夫婦とは何か、家族とは何か、そして生きるとは何か。さらに女であること、老いということ……『書く』という一念を生涯手放さなかった吉野せいという人間の真実の言葉たちが、読者に生きていくことの辛さ切なさを、そして喜びを教えるだろう」
(「解説」より)
目 次
頁
はじめに 編者より
3
雑誌『LE・PRISME』より
7
さいご
水石山
信といえるなら
9
13
31
暮鳥と混沌(抄)
白頭物語
47
83
梨花
梨花鎮魂(日記)
107
125
春
161
洟をたらした神
いもどろぼう
飛ばされた紙幣
173
183
195
老いて
私は百姓女
青い微風の中に
217
223
229
解説
略年譜
233
245
吉野せい [よしの せい]
1899年福島県生まれ。少女時代は小説家になるのが夢だったが、詩人の三野混沌と結婚後、菊竹山での開墾生活に入った。夫の死後、草野心平らの励ましを受けて執筆活動を開始。その後、串田孫一編集の雑誌『アルプ』などに発表した作品を集めた短篇集『洟をたらした神』(1975年)で大宅壮一ノンフィクション大賞、 田村俊子賞を受賞。1977年、78歳で死去。
山下多恵子 [やました たえこ]
1953年岩手県雫石町生まれ。高校教諭を経て、現在長岡工業高等専門学校非常勤講師。国際啄木学会理事。日本近代文学会会員。『北方文学』同人。著書に『
海の蠍
』、『
忘れな草
』、『
裸足の女
』(未知谷)がある。
2002年2月より『盛岡タイムス』に「忘れな草 啄木の女性たち」(全56回)、2004年3月より『新潟日報』に「島比呂志からの手紙 らい予防法を越えて」(全25回)、2006年3月より『新潟日報』に「屋根の上の歌人 西方國雄」(全12回)を連載。2008年5月より『新潟日報』に「啄木と郁雨 友の恋歌 矢ぐるまの花」を連載中。
小社刊の
吉野せい
関連の著作物
[
裸足の女
吉野せい
]
小社刊の
山下多恵子
の著作物
[
海の蠍
(さそり) 明石海人と島比呂志 ハンセン病文学の系譜
] (旧版・品切れ)
[
忘れな草
啄木の女性たち
]
[
啄木と郁雨
友の恋歌 矢ぐるまの花
]
[
増補新版
海の蠍
(さそり) 明石海人と島比呂志 ハンセン病文学の系譜
]
[
朝の随想
あふれる
]
[
かなしき時は君を思へり
石川啄木と五人の女性
]
[
さびしさを紡ぐ
ハンセン病を生きるということ
]
小社刊の
山下多恵子
関連の著作物
[
おん身は花の姿にて
網野菊アンソロジー
]
[
恋する昭和
芝木好子アンソロジー
]
[
美しい記憶
芝木好子アンソロジー
]
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吉野せいアンソロジー
吉野せい 著/山下多恵子 編・解説
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