未知谷の刊行物【国内文学】
さびしさを紡ぐ
ハンセン病を生きるということ
山下多恵子 著
四六判上製256頁 2,700円(税別)
ISBN978-4-89642-733-2 C0095
ひとはなぜ歌い、なぜ書くのか
「二〇〇七年秋から翌年の春にかけて、NHK文化センター盛岡教室で、ハンセン病文学の講座を持たせていただきました。本書はそこでお話ししたことの一部をまとめたものです。
講座の趣旨は次のようなものでした。【らい予防法下のハンセン病療養所で、過酷な現実に堪えながら言葉を紡いだ人たちがいました。彼らの生きた姿と残した言葉をたどりながら、日本におけるハンセン病の意味を探り、同時に「ひとはなぜ歌い、なぜ書くのか」文学の原点について考えます】
……中略……
本にするに際し、文体を改めようかとも思いましたが、夜の教室で熱く語り合っていたあの頃がしみじみと思い出され、この本を手に取ってくださった方にも、肉声に近いかたちでお伝えしようと思いました。教室の中のひとりになったような気持ちで、耳を傾けて(読んで)いただければ、うれしいです。」
(本書「はじめに」より)
目 次
頁
はじめに
1
第一章 無垢な言葉
9
第一節 閉ざされた世界・信じた未来――ハンセン病療養所の子供たち
11
第二節 異国の言葉で――香山末子(=金末子)とコンスタンチン・トロチェフ
53
第二章 ひたむきな命
83
第一節 「いのちの初夜」が世に出るまで
84
第二節 「いのちの初夜」を読む
100
第三節 北條民雄とは何者か
113
第三章 救いの器
123
第一節 雲母ひかる――明石海人の歌
124
第二節 わが心……熱く燃ゆるよ――津田治子の歌
147
第四章 宿命への挑戦
170
第一節 告発――中山秋夫の詩
172
第二節 島比呂志の「生田長江論」
186
第五章 生きること・見つめること
200
第一節 神谷美恵子とハンセン病
200
第二節 神谷美恵子という存在
216
あとがき
239
参考文献
244
山下多恵子 [やました たえこ]
1953年、岩手県生まれ。国際啄木学会理事。日本ペンクラブ会員。日本近代文学会会員。著書に『
海の蠍
』『
忘れな草
』『
裸足の女
』『
啄木と郁雨
』『
あふれる
』『
かなしき時は君を思へり
』、編書に『
土に書いた言葉(吉野せいアンソロジー)
』『
おん身は花の姿にて(網野菊アンソロジー)
』『
恋する昭和(芝木好子アンソロジー)
』『
美しい記憶(同)
』(未知谷)がある。
小社刊の
山下多恵子
の著作物
[
海の蠍
(さそり) 明石海人と島比呂志 ハンセン病文学の系譜
] (旧版・品切れ)
[
忘れな草
啄木の女性たち
]
[
裸足の女
吉野せい
]
[
啄木と郁雨
友の恋歌 矢ぐるまの花
]
[
増補新版
海の蠍
(さそり) 明石海人と島比呂志 ハンセン病文学の系譜
]
[
朝の随想
あふれる
]
[
かなしき時は君を思へり
石川啄木と五人の女性
]
小社刊の
山下多恵子
関連の著作物
[
土に書いた言葉
吉野せいアンソロジー
]
[
おん身は花の姿にて
網野菊アンソロジー
]
[
恋する昭和
芝木好子アンソロジー
]
[
美しい記憶
芝木好子アンソロジー
]
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さびしさを紡ぐ
ハンセン病を生きるということ
山下多恵子 著
2,700円(税別)
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