未知谷の刊行物【国内文学】
裸足の女
吉野せい
山下多恵子 著
四六判上製208頁 2,000円(税別)
ISBN978-4-89642-232-0 C0095
詩人・三野混沌と結婚し、少女時代に愛した文学を捨て、過酷な開墾生活に入った吉野せい。夫の死後、七十歳を過ぎてから、草野心平の強い薦めで猛烈に筆を執りはじめる。百姓として、女として、自らの人生を書き記すために――
「刃毀れなどどこにもない斧で一度ですぱっと木を割ったような狂いのない切れ味」と串田孫一が評した吉野せいの作品とその生涯を、前作『忘れな草』で岩手芸術選奨受賞した筆者が、女性ならではの細やかな視点から読み解いた評論。第2部には、作品や残された記録をもとに、吉野せいにできる限り寄り添いながら、その心の動きを追ったシナリオを収録。
「七十歳を過ぎてから書き始めた吉野せいという作家を思うとき、書かずに来たそれまでの何十年の歳月を思う。渦巻く思いを自分一人の胸に押し込めて、彼女は畑に立ち続けた」(「はじめに」より)
目 次
頁
はじめに
1
第一部 裸足の女――吉野せい論
9
一章 吉野せいにおける創作――「書く」ことの意味
11
1 出会い
12
2 梨花
30
二章 吉野せいにおける自然――交感する魂
53
三章 吉野せいにおける結婚――愛と闘い
71
1 青春の人
72
2 夫婦のかたち
92
終章 吉野せいと三野混沌――再び「書く」ことの意味
119
第二部 シナリオ 裸足の女
139
あとがき
189
山下多恵子 [やました たえこ]
1953年岩手県雫石町生まれ。高校教諭を経て、現在長岡工業高等専門学校非常勤講師。国際啄木学会理事。日本近代文学会会員。ハンセン病市民学会会員。『北方文学』、『火山地帯』同人。著書に『
海の蠍
(さそり) 明石海人と島比呂志 ハンセン病文学の系譜
』、『
忘れな草
啄木の女性たち
』(ともに未知谷)がある。
2002年2月より『盛岡タイムス』に「忘れな草 啄木の女性たち」(全56回)、2004年3月より『新潟日報』に「島比呂志からの手紙 らい予防法を越えて」(全25回)、2006年3月より『新潟日報』に「屋根の上の歌人 西方國雄」(全12回)を連載。2008年5月より『新潟日報』に「啄木と郁雨 友の恋歌 矢ぐるまの花」を連載中。
小社刊の
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海の蠍
(さそり) 明石海人と島比呂志 ハンセン病文学の系譜
] (旧版・品切れ)
[
忘れな草
啄木の女性たち
]
[
啄木と郁雨
友の恋歌 矢ぐるまの花
]
[
増補新版
海の蠍
(さそり) 明石海人と島比呂志 ハンセン病文学の系譜
]
[
朝の随想
あふれる
]
[
かなしき時は君を思へり
石川啄木と五人の女性
]
[
さびしさを紡ぐ
ハンセン病を生きるということ
]
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裸足の女
吉野せい
山下多恵子 著
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