未知谷の新刊案内

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邪馬台国は大和 卑弥呼は百襲姫(ももそひめ) 歴史は捏造される
矢吹晋 著
四六判上製120頁 1,800円(税別)
ISBN978-4-89642-731-8 C0021



日韓併合の1910年
この論争は俄かに巻き起こり
今なおわれわれは惑わされている
既に戦前1920年代、
資料を素直に読み込んだ在野の学者によって
日中双方の文献学レベルでは証明され
その後考古学的裏付けもなされつつある
それよりはるか以前、江戸時代にも
常識であったその歴史像を
なぜ見失っているのか?
 
笠井新也は『魏志倭人伝』と『日本書紀・崇神紀』中国と日本双方の史料を詳細に読み解き、
1922、23、24年と3篇の論文によって
地名の一致、年代の一致、行路・行程の一致、
さらに人物事跡の一致を論証した。そして
18年後の1942年に4本目の論文を書き、
墳墓の一致をも論証した。つまり
文献学的研究に関する限り、ほぼ完璧に
卑弥呼と邪馬台国のナゾは解明された。
 
 
百襲姫=日本書紀に登場する倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)、第10代天皇崇神の姑(おば)とされる巫女、箸墓(はしはか)古墳の主



 
ギリシア悲劇余話
丹下和彦 著
四六判上製184頁 2,000円(税別)
ISBN978-4-89642-730-1 C0098



古代ギリシア文学を
自由自在に楽しみながら
人の世の営みや
人間のありようを考える
愉しいエッセイ集
 
*本書で言及される作品
ホメロス「オデュッセイア」
ホメロス「イリアス」
ステシコロス「ゲリュオン譚」
エウリピデス「アルケスティス」
アイスキュロス「テバイ攻めの七将」
ソポクレス「アンティゴネ」
エウリピデス「嘆願する女たち」
アイスキュロス「オレステイア」
ソポクレス「エレクトラ」
エウリピデス「エレクトラ」
ソポクレス「オイディプス王」
エウリピデス「フェニキアの女たち」
エウリピデス「アウリスのイピゲネイア」
エウリピデス「メデイア」
セネカ「メデア」……などなど

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ロシア反体制派の人々 Мы слышим биение ваших сердец
藤崎蒼平,セルゲイ・ペトロフ 著
四六判上製288頁 3,000円(税別)
ISBN978-4-89642-727-1 C0031




64名の政治家、ジャーナリストのプロフィール
事態を理解するために重要な20のトピックと用語一覧




 
足し算の生
カルミネ・アバーテ 著 / 栗原俊秀 訳
四六判上製192頁 2,200円(税別)
ISBN978-4-89642-725-7 C0097



友人たちよ、私は足し算の生を生きたい。
北と南、心の言葉とパンの言葉、私と私、
そのどちらかを選ぶよう、
誰かに強制されることなしに。(本文より)
 
 
「この作品は、アバーテ文学の種明かしだ」と訳者が語る、
旅立ちと帰郷、移住と郷愁、「旅立つ者」と「とどまる者」
対立と和解、世代を超えて反復される移住を様々な角度から描く
珠玉の短編集



 
幻影と人生 2024
ВИДЕНЬЕ И ЖИЗНЬ 2024г.

工藤正廣 著
四六判上製248頁 2,500円(税別)
ISBN978-4-89642-724-0 C0093



トリスティア いつも恋しいのは この安寧なる遠い丘
トリスティア いつも恋しいのは この過激なるロシアの幻想
トリスティア いつも恋しいのは
この過剰なる情熱(パッション)への魂の杖
 
======
 
舞台はアントン・チェーホフ生誕の地
タガンローグ近郊はミレナの谷
激戦地マリウポリの東方百余キロ
だがこれは領土紛争の記録ではない
ロシア大地からふつふつと湧き出し
時に激しく逸脱して人々を駆り立てる
精神の内に宿る普遍性を考える物語
 
欧米的均質化を厭う心の持ちようは
だれもが私かに抱くものだろう
まるごと資本主義の落とし子である
近現代の小説言語から遠く離れた
詩的語りの文体は春のそよ風のように
乾いた心を癒してくれるに違いない

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ジェザベル
イレーヌ・ネミロフスキー 著 / 芝盛行 訳
四六判上製256頁 2,700円(税別)
ISBN978-4-89642-726-4 C0097



女が殺した、なぜか?
 
法廷には、美しさの気配を残す老女
20代の愛人を殺した廉で裁判にかけられている……
「私、彼を殺しました! 私を牢に入れて、私を殺して……私はそれに値します!……何度でもそれに値します。私には死と不幸が相応しい、でもなんでこんなに恥を並べ立てるの?……そうです、私は彼を殺しました、寛容なんて求めません。でも終わらせて、終わらせてください……」
何も話そうとしない女。一体何が起こっていたのか。
そして物語が始まる……
 
***
彼女の作品は「非情な同情」というべき視点に貫かれている。
(アンリ・ド・レニエ)



 
矢吹晋著作選集 別巻 朝河貫一顕彰
矢吹晋 著
四六判並製函入320頁 2,700円(税別)
ISBN978-4-89642-723-3 C0321



情報蒐集と分析洞察力は
世界でも有数のチャイナウオッチャー
朝河貫一博士顕彰協会前会長
矢吹晋の集大成!
別巻
 
予断を入れず基本文献を詳細に読み解く
学究信念を貫いた朝河史学の成果は
世界的評価を得、今尚検証に耐え得る
その学恩は継承されているのか!



 
若き女性への手紙
若き女性リザ・ハイゼからの手紙16通を含む

ライナー・マリア・リルケ,リザ・ハイゼ 著 / 安家達也 訳
四六判上製176頁 2,000円(税別)
ISBN978-4-89642-722-6 C0098



男と女の間の関係が不公平なのに
世界の救済を語ったところで
虚しいのではないでしょうか?
(リザ・ハイゼ 1919年8月23日の手紙より)
 
 
世界中の女性を勇気づけたあの
リルケ「若き女性への手紙」
これまで割愛され、
謎に包まれていた
「若き女性」からの16通
二〇〇三年初公開された
リルケ最後の一信
計17通を加え26通の手紙
その全貌を本邦初紹介
往復書簡として読むことで
リルケの内省、深い側面が見えてくる!



 
如何なるや人倫
94歳、迷いながらも生きてきた

清水昭三 著
四六判上製224頁 2,400円(税別)
ISBN978-4-89642-721-9 C0093



軍部が正しさを独占する時代に
個人が自分の生き方を選択する
自由はほぼ無いといっても良い
ましていたいけな小学生のこと
学力・身体ともに優れた少年は
七つ釦は桜に錨…予科練へ進む
訓練半ばにして突然敗戦を迎え
一切合切ことごとくが瓦解した
人生は悉皆歪められてしまった
さりとても何かしなければ――
以来七十有余年渾身の私小説!

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青樓(せいろう)にて
喜多川歌麿「雪月花」異聞

橋克典 著
四六判上製256頁 2,500円(税別)
ISBN978-4-89642-720-2 C0093



江戸、歌麿が「雪月花」を描くに至る人生の物語と
現代、父と息子がそれぞれ歌麿を追いかける物語が
同時進行する二重小説
 
蔦屋重三郎に見出され、美人画で知られる絵師・喜多川歌麿
最高傑作と言われる《深川の雪》《品川の月》《吉原の花》肉筆画の大作3点
近江で生まれ江戸で活躍! 「雪月花」は栃木で描いた? 歌麿の数奇な生涯!
 
現代…「いまウタマロの小説を書いてみないかって、企画を持ち込まれてる」
耳にした父親がグイッとこっちを見て問いかけてきた。
「ウタマロって、あの歌麿のことか」「そうだよ、あの絵師の喜多川歌麿さ」
死を間近にした父と介護する息子、時空を超えて歌麿の「雪月花」が再生させる絆



 
シャモニーの谷に生まれて
モンブランが仕事場

クリスチャン・モリエ 著 / 柴野邦彦 訳
四六判上製272頁 2,700円(税別)
ISBN978-4-89642-719-6 C0098



人はなぜ山に登るのか
なぜ生命を危険に曝すのか
そこに山があるから?
そこでは……
人生が単純で静かだから?
 
クリスチャン・モリエは一九四〇年生まれ。モンブランから落ちるボソン氷河の下、ペルラン村のすぐ隣のモンカール村で子供時代をすごした。そして、モンブラントンネルの建設がこの谷をすっかり変化させてしまったことを経験した。それは同時にガイドの職業形態や性格をも変えてしまった。彼はそうした詳細を彼の登攀や救助活動などをとおして誠実に誇張をまじえず書き残している。それはシャモニーのガイドの仕事や人生、悩みや喜びを語る貴重な記録となるだろう。
(「訳者のあとがき」より)

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散文詩集 庭師
ラビンドラナート・タゴール 著 / 内山眞理子 訳
四六判上製160頁 2,000円(税別)
ISBN978-4-89642-718-9 C0098



これらは愛と人生をつづる抒情詩であり、ベンガル語からわたし自身が英訳した。英語散文詩集『ギーターンジャリ』に収録した宗教的な作品群よりも前にあらわしたものである。英訳はかならずしも直訳ではなく、抄訳あるいは意訳されている。ラビンドラナート・タゴール
(本書「序文」より)
 
***
 
西の方からやって来た煉瓦職人とその妻は、煉瓦を焼く窯を作ろうと、土を掘るのに忙しい。
夫婦の小さな娘は、河辺りの船着き場へ行って鍋や食器を洗い、磨いて擦ってはきりのない仕事に精を出す。
小さな娘には丸坊主の幼い弟がいて、褐色の肌は丸裸で、手足は泥だらけだ。弟は姉の後を追って来るが、姉の言いつけを守って土手の上で辛抱強く待っている。
小さな娘は、水を満たした水甕を頭上に抱えて家へ戻る。左手に磨き上げた真鍮の器をぶらさげ、右手で幼い弟を支えてやる。娘は母の小さな召使いとして、こまごまとした家事を律儀にこなす。
 
 
ある日のこと、この裸ん坊が両足を投げ出して坐っているのがわたしの目に入った。
姉は水際で、一握りの土を手に、湯呑をぐるぐる回しながら擦っていた。
ほど近いところに柔らかい毛の子羊がいて、草を食んでいた。
子羊は幼い弟のすぐ傍まで来ると、突然メェーと大きな鳴き声をあげた。弟は飛び上がって泣いた。
すると娘は、磨いていた湯呑を放り出して土手を駆け上がった。
片腕に幼い弟を、もう一方の腕に子羊を抱いて、娘はどちらにも優しい愛撫を等しく分け与えた。動物と人の子は、愛の絆で結ばれた。
(詩篇77)
 
***
 
あなたは誰ですか。今から百年後にわたしの詩を読んでいるあなたは。
この豊かな春の富から花一輪も、彼方の雲に浮かぶ一筋の金色の輝きも、わたしはあなたに贈ることができません。
あなたの扉を開いて外を見てください。
花の咲き匂うあなたの庭から、百年前に消え去った花々の香り高い記憶を集めてください。
かつて生きる喜びが春の朝をうたった、その声が、百年の時を超えてあなたに届いて、あなたが心の喜びのままに感じ取ってくださいますように。
(詩篇85)
 
***
 
原書The Gardenerは1913年出版。85篇の散文詩を収録。



 
モスカット一族
アイザック・バシェヴィス・シンガー 著 / 大さきふみ子 訳
四六判上製872頁 6,000円(税別)
ISBN978-4-89642-717-2 C0097



本作で描かれるのは20世紀初頭、ポーランド・ワルシャワ
近代化と戦争に揺れるユダヤ人社会
実利に聡く独善的で気難しい絶対的な長がいた栄華から
三世代を経て、伝統的家族社会は内部から崩壊していく
その間、ポーランド独立回復を目指す数度の蜂起
ロシア革命、第一次世界大戦
独立回復、ポーランド・ソヴィエト戦争
ナチスのポーランド侵攻、第二次世界大戦…
100人以上の登場人物が蠢く、
900頁に迫る大長篇
作品の最高潮は最後のセンテンスに…!
お見事! とうなずくしかない
ノーベル文学賞作家の筆力



 
塵に訊け
ジョン・ファンテ 著 / 栗原俊秀 訳
四六判上製288頁 3,000円(税別)
ISBN978-4-89642-715-8 C0097



30年代の頽廃、ビートニクの先駆
所は照りつける太陽と視界を奪う
砂漠の塵が舞うロサンゼルス――
ワラチを履いたメキシコ娘カミラ
作家志望のイタリア系アルトゥーロ
差別される者どうしの共感が恋に
震え、疾駆し、うなり、転げる生
80年の再刊で沸騰した名著の新訳
***
ブラック・スパロウ版には、チャールズ・ブコウスキーが序文を寄せている。……このたびの新訳では、訳者の判断により「附録」として作品の末尾に置くこととした。ブコウスキーの言葉を介さずに、まずファンテ自身の作品に触れてほしいという願いがあるからである。……本書を含め六冊の日本語訳がそろったいま、そろそろ、「ブコウスキーによって再発見された」という枕詞から、ファンテを解放してもいいのではないかと訳者は感じている。
(「訳者あとがき」より)
***
一行一行が軽やかにページを転がっていく、言葉がほとばしっている。すべての行にエネルギーが宿っていて、同じように力強い行がそれに続く。各行の核となる部分がページに形を与え、そのなかに刻まれたなにかの感覚を伝えている。しかも、この男は感情を恐れていない。ユーモアと痛みが、どこまでも飾り気なく混ぜ合わされている。あの本の冒頭は私にとって、けたはずれの荒ぶる奇跡だった。……本のタイトルは『塵に訊け』、著者の名前はジョン・ファンテだった。
(「チャールズ・ブコウスキーによる序文」より)

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キャサリン・タイナン短篇集
キャサリン・タイナン 著 / 高橋歩 訳
四六判上製160頁 1,800円(税別)
ISBN978-4-89642-716-5 C0097



9世紀バイキング襲来
12世紀には英国初の植民地とされたアイルランド
19世紀末は750年にも及んだ
英国の支配から脱する最後の局面だった
 
詩・小説・新聞記事、
多種多様な文筆活動で鋭い社会意識を表現したキャサリン
特に強い関心を寄せて
定期的に取り上げていたのは
未婚の母、嬰児殺し、死刑、
貧困層の教育問題、等々
 
彼女が遺した102以上の
小説から、短篇9篇を厳選
摩訶不思議な話
思いもよらない結末
アイルランドの海――



 
ベケットのことば
日本サミュエル・ベケット研究会 編集 / 木内久美子 監修
四六判上製344頁 3,600円(税別)
ISBN978-4-89642-714-1 C0098



日本サミュエル・ベケット研究会創設30年記念
 
各論文執筆者に選択されたベケットのことば
それぞれのことばは論文内容と絶妙に響き合う
 
日本におけるサミュエル・ベケット作品の紹介や
文学的議論の深まりをリードしてきた
日本サミュエル・ベケット研究会
 
直接ベケットに会い議論を交わした論者から、
20代後半の大学院生まで、総勢10名による
多種多様なベケット論を集成した稀な論集



 
婚礼
《ポーランド文学古典叢書》第11巻

スタニスワフ・ヴィスピャンスキ 著 / 津田晃岐 訳
四六判上製208頁 2,500円(税別)
ISBN978-4-89642-711-0 C0398



分割下、祖国を奪われていたポーランドの
国民意識を揺さぶった傑作戯曲として今も愛される
ポーランド文学の至宝、ついに邦訳成る
 
『終わりと始まり』のシンボルスカの暮したポーランドの古都クラクフ
時は一九〇〇年頃、芸術家や知識人が近郊の村へ赴くことが流行した
ある者は作品の霊感を求め、ある者は旧時代のノスタルジーを
ある者はポーランド再興の原動力を、農民とその文化習俗に探していた
そこで行われた友人の結婚式に着想を得たヴィスピャンスキは…
 
実在の人物たちをモデルに
実際に村で話されていた話し言葉で描かれる
町の貴族と村の百姓娘の婚礼
中心人物はおらず、夜明け前の異様な時間へ
それぞれが抱いていた夢や幻想ごと
婚礼の夜そのものがそこに
全三幕


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