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ズンデヴィト岬へ
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ベンノー・プルードラ 著 / 森川弘子 訳・解説
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四六判上製144頁 1,600円(税別)
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ISBN4-89642-116-7 C0097
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この希望を失なわない一直線の純朴さは、共感を呼ぶに違いない
発表以来40年ズンデヴィトを知らないドイツの子供はいないとまで言われる名作
ティムは八歳の男の子、カモメ岬の燈台守のひとりっ子です。父さんや母さん、カモメや海、自分の周りにある全てを愛していますが、独りぼっちの淋しさだけはどうにも愛せません。夏休みのある朝、浜辺で出会ったキャンプの子どもたちがズンデヴィト岬への旅に誘ってくれました。ところが、九キロ離れた修理工場の所長が燈台に眼鏡を忘れていました。ティムは皆が出発するその日の正午までには戻るつもりで自転車に飛び乗ります。けれども、眼鏡を渡した所長さんから農業生産組合に届けるボルトを預かります。ボルトを届けて帰りを急ぐティムに、今度は老婦人がお茶を孫に渡してくれと頼みます。時間がありません。………… ⇒[書評1][書評2][書評3]
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ベンノー・プルードラ [Benno Pludra]
1925年ドイツ東部のミュッケンブルク生まれ。第二次大戦後ベルリン大学とハレ大学で独文学・芸術学などを学んだあと、教員、ジャーナリストを経て、51年児童文学作家コンクールを契機に児童文学作家となる。現在までに40余の作品で統計500万冊以上刊行されている。東独児童文学界の第一人者として特別の待遇を受け、西ドイツへの旅行も許され、広くドイツ語圏で活躍し、現在に至る。2004年ドイツ児童文学賞特別賞受賞。
作品が喚起する想像力と文章の力だけで「理想の価値」を伝えられる希有な作家といわれる。
邦訳には『白い貝のいいつたえ』(評論社)、『海賊の心臓』(大日本図書)、『ぼくたちの船タンバリ』(岩波書店)の3作がある。
森川弘子 [もりかわ ひろこ]
徳島県生まれ。広島大学卒業後、1974年東洋工業入社、1985年までドイツ語の翻訳に従事。1981〜82年ミュンヘン大学に留学、神話学などを学ぶ。1990年より人形劇ペポのメンバー、また宮沢賢治学会イーハトーブセンター会員。訳書にジェイムス・クリュス『笑いを売った少年』『ロブスター岩礁の燈台』(共に未知谷)がある。
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