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ちびポップの決断
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ベンノー・プルードラ 著 / 森川弘子 訳・解説
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四六判208頁 2,000円(税別)
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ISBN4-89642-128-0 C0097
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幼いからこその切実な正義感、強い憧れ、内心の葛藤
少年の心に去来する悩みと喜こびを描ききった名作
ちびポップは11歳。とくに小柄というわけでもないのにそう呼ばれているのは、同じクラスに落第した一つ年上の兄さんがいるからです。二人はとても仲良しで一日中いっしょですが、たいていは兄さんの友だちエルプセとの三人組です。四月の寒い日、「崩れたままの地下ガレージに鉛管が埋まっているらしい、掘り出しに行こう」と言い出したのはそのエルプセです。ピオネールのグループ集会に行くつもりだったちびポップも押し切られて一緒にでかけますが……
冬芽も固くかじかんだままの寒い四月の日に始まったちびポップの冒険は、サクランボの花が花盛りを迎えた五月一日、メーデーの日に終わります。暖かな日射しを浴びる緑の街路樹に華やかなファンファーレが鳴り響き……
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目 次
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頁
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グループ集会か、ガレージか
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5
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ランプなしで宝さがし
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19
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マリアンネと廃屋
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39
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難しい決断
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53
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秘密の行動
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68
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ちびポップの深刻な悩み
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79
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悪事が露見
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104
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頓挫した復讐と一通の手紙
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119
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同志パウルゼン
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142
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最後のチャンス
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171
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ちびポップは独りぼっちのままか?
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181
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訳者あとがき
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197
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ベンノー・プルードラ [Benno Pludra]
1925年ドイツ東部のミュッケンブルク生まれ。第二次大戦後ベルリン大学とハレ大学で独文学・芸術学などを学んだあと、教員、ジャーナリストを経て、51年児童文学作家コンクールを契機に児童文学作家となる。現在までに40冊以上の作品で500万冊以上刊行されている。東独児童文学界の第一人者として特別の待遇を受け、西独への旅行も許されたという。東西ドイツ統一後も活躍し現在に至る。2004年ドイツ児童文学賞特別賞(作家賞)受賞。
作品が喚起する想像力と文章の力だけで「理想の価値」を伝えられる希有な作家といわれる。
邦訳には『白い貝のいいつたえ』(評論社)、『海賊の心臓』(大日本図書)、『ぼくたちの船タンバリ』(岩波書店)、『ズンデヴィト岬へ』(未知谷)がある。
森川弘子 [もりかわ ひろこ]
徳島県生まれ。広島大学卒業後、1974年東洋工業入社、1985年までドイツ語の翻訳に従事。1981〜82年ミュンヘン大学に留学、神話学などを学ぶ。1990年より人形劇ペポのメンバー。宮沢賢治学会イーハトーブセンター会員。訳書にJ・クリュス『笑いを売った少年』『ロブスター岩礁の燈台』、B・プルードラ『ズンデヴィト岬へ』がある。
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