未知谷の刊行物【海外文学】



 
ミコワイ・レイ氏の鏡と動物園
《ポーランド文学古典叢書》第9巻

関口時正 編・訳・著
四六判上製176頁 2,000円(税別)
ISBN978-4-89642-709-7 C0398



16世紀ポーランド
宗教改革!ルネッサンス!
ラテン語ではなくポーランド語のみで
文章を残した最初の人物
「古き楽しきポーランド」の象徴
本邦初の日本語訳&紹介!!
 
数多の著作からの絶妙な抄訳と補説でミコワイ・レイの全貌を提示する


目  次

第一章 言語と民族

鵞鳥の言語 9/民族と集団的自意識 15/国語 24
 
第二章 ミコワイ・レイという人
34 
教育と学問 34/経営と訴訟 46/プロテスタンティズム 51/下院議員として 55/作家として 58
 
第三章 『像』
63 
善良な男か、真面目な人間か? 63
 
第四章 『動物園』
76 
まずは《共和国》が自らの不幸を訴える。 76/ユディト――気高きユダヤの女 80/スィギスムンドゥス・アウグストゥス 82/ボナ ポーランド王妃 84/ナグウォヴィーツェのミコワイ・レイ 85/ヤン・コハノフスキ 87/教皇 89/ローマ 90/僧院長たち 91/教会 93/ミサ 94/聖遺物 95/聖水 96/マルティン・ルター博士 97/ポーランド王国 97/共和国あるいは国会 98/クラクフの城 99/クラクフのコレギウム 100/《希望》の姿 101/変わらぬ心の描かれ方 102/互助 103/変わらぬ心の柳 103/ひかえめな舌 104
 
第五章 フィグリキ、すなわち笑い話
106 
王に指輪を返さなかった者 108/神父、犬を墓地に埋葬する 109/ミサを聴いた韃靼人 115/受難曲を聴きながら泣く女 116/神の昼食に招く枢機卿 118/軍隊を率いる枢機卿 119/懺悔をした町人たち 120/痩せっぽちとは厭だと言った太っちょ 121
 
第六章 鏡に映す『真面目な人間の一生』
122 
『真面目な人間の一生』第二書 第一六章 126
 
1 身を固め、既に諸事全般においても落ち着いた《真面目な人間》が、神の御心に適った節度ある農事をどう思慮深く味わうのか 126(不安な思い/まめな主人)
 
2 一年は四つの節に分かたれる 134(接ぎ木やその他のものを増やす/ブドウを植える/有用な菜園/一グロシュ出し、数グロシュ儲けるもよし)
 
3 春をものぐさに過ごしてしまえば、それは一大事である 141(春を逃すべからず/魚によって利益を得る)
 
4 蜜蜂や羊その他のものも、なかなか利益になる 145(牛、馬、羊、蜜蜂etc. etc./女主人の家事)
 
5 夏が来たら、どう対処すべきか 148(夏の楽しみ)
 
6 秋の楽しみと農事 153(秋の農事/ヨハネ伝第一二章)
 
7 秋の娯楽 154(秋の楽しみ)
 
8 秋の家事 158(安上がりの家庭的珍味/休閑地を鋤き返す)
 
9 どんな利益、どんな楽しみを冬はもたらすか 161(冬の狩/ワイン、ビール、肉をただで)
 
10 貧しい人々の素晴らしき食べ物 164(人間のさまざまな食料)
 
あとがき
169 

ミコワイ・レイ
1505年生〜1569年没。ポーランド南部で生涯を過ごし、歴史上初めて、ポーランド語だけで執筆して多くの著作を残した作家。「黄金時代」とされる16世紀のポーランド・ルネッサンス文化を代表する人物であり、19世紀には「ポーランド文学の父」と呼ばれるようになる。カルヴァン派信徒。国会議員でもあった。代表作には『領主と村長と司祭、三人の人物の短い会話』(1543)『動物園』(1562)『鏡』(1568)などがあるが、日本語の翻訳はなく、人物と作品の紹介も、本書が日本では初となる。
 
関口時正 [せきぐち ときまさ]
東京生まれ。東京大学卒。ポーランド政府給費留学(ヤギェロン大学)。1992〜2013年、東京外国語大学でポーランド文化を教える。同大名誉教授。著書に『ポーランドと他者』(みすず書房)、訳書にJ. コハノフスキ著『挽歌』、A. ミツキェーヴィチ著『バラードとロマンス』『祖霊祭 ヴィリニュス篇』、S. I. ヴィトキェーヴィチ著『ヴィトカツィの戯曲四篇』、B. プルス著『人形』(以上、未知谷)、J. イヴァシュキェヴィッチ著『尼僧ヨアンナ』(岩波文庫)、J. コット著『ヤン・コット 私の物語』(みすず書房)、C. ミウォシュ著『ポーランド文学史』(共訳、未知谷)、『ショパン全書簡1816〜1830年――ポーランド時代』(共訳、岩波書店)、S. レム著『主の変容病院・挑発』『インヴィンシブル』(国書刊行会)などがある。

ポーランド古典文学叢書
[挽歌 Treny 《ポーランド文学古典叢書》第1巻]
[ソネット集 Sonety 《ポーランド文学古典叢書》第2巻]
[バラードとロマンス 《ポーランド文学古典叢書》第3巻]
[コンラット・ヴァレンロット 歴史物語――リトアニア人とプロイセン人の故事より 《ポーランド文学古典叢書》第4巻]
[ディブック ブルグント公女イヴォナ 《ポーランド文学古典叢書》第5巻]
[ヴィトカツィの戯曲四篇 《ポーランド文学古典叢書》第6巻]
[人形 《ポーランド文学古典叢書》第7巻]
[祖霊祭 ヴィリニュス篇 《ポーランド文学古典叢書》第8巻]
[歌とフラシュキ Pieśni i fraszki 《ポーランド文学古典叢書》第10巻]
[婚礼 《ポーランド文学古典叢書》第11巻]
 
小社刊のポーランド文学関連の著作物
[ポーランド文学史]


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《ポーランド文学古典叢書》第9巻
関口時正 編・訳・著
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