|
|
|
|
人形
《ポーランド文学古典叢書》第7巻
|
ボレスワフ・プルス 著 / 関口時正 訳 / 菊地信義 装幀
|
四六判上製1248頁 6,000円(税別)
|
ISBN978-4-89642-707-3 C0398
|
|
|
沼野充義氏激賞!
ポーランド近代小説の最高峰の、これ以上は望めないほどの名訳。19世紀の社会史を一望に収めるリアリズムと、破滅的な情熱のロマンが交錯する。これほどの小説が今まで日本で知られていなかったとは!
「僕の考えでは、これほど重要で、これほど美しいポーランド語の小説はない。本当のところ――トルストイ、フロベール、ドストイェフスキー…といった作家たちの最高傑作との比較に堪えうる唯一のポーランド語の偉大な小説だ」(ポーランドの現代詩人ブロニスワフ・マイの発言 2017)
19世紀中葉のワルシャワを舞台に展開するこの長篇は24ヶ国語に翻訳され、世界中で愉しまれる古典中の古典。ようやく邦訳されこの国の読者に読まれることとなった――
|
|
|
目 次
|
頁
|
第一章 酒瓶のレンズ越しに眺めたJ・ミンツェル&S・ヴォクルスキ商会
|
7
|
第二章 老店員の采配ぶり
|
15
|
第三章 老店員の備忘録 1
|
27
|
第四章 帰還
|
46
|
第五章 お殿様の民主化と上流社会のお嬢様の夢
|
63
|
第六章 どのようにして古い地平線上に新しい人々が登場してくるのか
|
83
|
第七章 蛇にまみえるべく出かける鳩
|
110
|
第八章 瞑想
|
122
|
第九章 色々な世界の人々が出会う歩道橋
|
156
|
第十章 老店員の備忘録 2
|
202
|
第十一章 昔の夢と新しい知人たち
|
264
|
第十二章 他人のために歩き回る
|
302
|
第十三章 殿様方の娯楽
|
333
|
第十四章 乙女の夢
|
369
|
第十五章 激情はどのように、また良識はどのように人間の魂を揺さぶるか
|
390
|
第十六章 「彼女」――「彼」――そしてその他の人々
|
402
|
第十七章 さまざまな種子、妄想の芽生え
|
418
|
第十八章 老店員の驚愕、幻覚、観察
|
446
|
第十九章 最初の警告
|
493
|
第二十章 老店員の備忘録 3
|
540
|
第二十一章 老店員の備忘録 4
|
582
|
第二十二章 灰色の日々と血の滲むような時間
|
621
|
第二十三章 幻
|
666
|
第二十四章 恋する幸せ者
|
706
|
第二十五章 田園の遊び
|
721
|
第二十六章 一つ屋根の下で
|
757
|
第二十七章 森と廃墟と魔法と
|
787
|
第二十八章 老店員の備忘録 5
|
830
|
第二十九章 老店員の備忘録 6
|
857
|
第三十章 老店員の備忘録 7
|
904
|
第三十一章 貴婦人たちと女ども
|
939
|
第三十二章 眼はどのようにして開き始めるのか
|
965
|
第三十三章 和解した夫婦
|
1006
|
第三十四章 時は過ぎ去り、永遠は留まる
|
1023
|
第三十五章 老店員の備忘録 8
|
1048
|
第三十六章 嗜眠状態の魂
|
1068
|
第三十七章 老店員の備忘録 9
|
1167
|
第三十八章 ……?……
|
1173
|
解説
|
1215
|
ボレスワフ・プルス [Bolesław Prus]
1847年フルビェシュフ(ポーランド)生、1912年ワルシャワ没。近代ポーランド語文学を代表する評論家・小説家。ロマン主義を克服しようとするポズィティヴィズム運動の主要な論客、活動家の一人。生涯の大半をワルシャワを中心とするロシア領ポーランドで過ごし、ジャーナリストとしての仕事のかたわら、多様な社会福祉活動を自ら実践した。小説の代表作には『人形』、『ファラオ』、『前哨地』がある。
関口時正 [せきぐち ときまさ]
東京生まれ。東京大学卒。ポーランド政府給費留学(ヤギェロン大学)。1992〜2013年、東京外国語大学でポーランド文化を教える。同大名誉教授。著書に『ポーランドと他者』(みすず書房)、Eseje nie całkiem polskie(Universitas, Kraków)、訳書にJ. コハノフスキ著『挽歌』、A. ミツキェーヴィチ著『バラードとロマンス』、S. I. ヴィトキェーヴィチ著『ヴィトカツィの戯曲四篇』(以上、未知谷)、J. イヴァシュキェヴィッチ著『尼僧ヨアンナ』(岩波文庫)、J. コット著『ヤン・コット 私の物語』(みすず書房)、C. ミウォシュ著『ポーランド文学史』(共訳、未知谷)、『ショパン全書簡1816〜1830年――ポーランド時代』(共訳、岩波書店)、S. レム著『主の変容病院・挑発』(国書刊行会)などがある。
|
|