未知谷の刊行物【海外文学】



 
ヴィトカツィの戯曲四篇
《ポーランド文学古典叢書》第6巻

スタニスワフ・イグナツィ・ヴィトキェーヴィチ 著 / 関口時正 訳 / 菊地信義 装幀
四六判上製328頁 3,200円(税別)
ISBN978-4-89642-706-6 C0398



今なお世界中で愛される不条理劇の先駆!
「鉄のカーテン」の向こうからやってきて注目を集めた60年代から
現在に至るまで、世界各地で上演され続ける前衛演劇、厳選四作品
ポーランド語からの直接翻訳で
 
ポーランド人は個人主義者である、集団、体制、権威、秩序に対して従順であるよりは反抗する者である、といったかなり古い時代から醸成されてきた一般的なセルフ・イメージが基盤としてあるとともに、藝術家や「天才」を崇拝して治外法権を与えるポーランド・ロマン主義の原理が作用してきたと言えるだろう。その過程で、ヴィトカツィの像は「孤独」から「孤高」へと高められ、仮に美術、演劇、哲学のどの領域でも抜群の傑作を残さなかったとしても、膨大な量の伝説も含めたそのバイオグラフィ全体、人物像の総体が、最終的に極めて高い、しかも勝れて「ポーランド的な」現象として評価されるにいたった。
(「解説」より)
 
本叢書《ポーランド文学古典叢書》は、特定非営利法人「フォーラム・ポーランド組織委員会」の企画にもとづき、ポーランド広報文化センターによる出版経費の一部助成を得て刊行されています。


目  次

小さなお屋敷で

水鶏
79 
狂人と尼僧
157 

203 
解説
291 

スタニスワフ・イグナツィ・ヴィトキェーヴィチ / ヴィトカツィ [Stanislaw Ignacy Witkiewicz / Witkacy]
1885年ワルシャワ(ポーランド)生、1939年イェジョーリ村(現ウクライナ)没。20世紀ポーランド文化を代表する劇作家・画家。生涯の大半を南部山岳地帯のザコパネの町で過ごした。1939年9月、ソ連軍進攻の報に接して自殺。テクストとしての代表作には、不条理演劇の先駆と言われた戯曲数十篇の他、小説『非充足』、『秋への別れ』などがある。
 
関口時正 [せきぐち ときまさ]
東京生まれ。東京大学卒。ポーランド政府給費留学(ヤギェロン大学)。1992〜2013年、東京外国語大学でポーランド文化を教える。同大名誉教授。著書に『ポーランドと他者』(みすず書房)、『白水社ポーランド語辞典』(共著)、訳書にJ. コハノフスキ著『挽歌』、A. ミツキェーヴィチ著『バラードとロマンス』、S. アン=スキ/W. ゴンブローヴィチ著『ディブック/ブルグント公女イヴォナ』(共訳)(以上、未知谷)、J. イヴァシュキェヴィッチ著『尼僧ヨアンナ』(岩波文庫)、J. コット著『ヤン・コット 私の物語』(みすず書房)、C. ミウォシュ著『ポーランド文学史』(共訳、未知谷)、『ショパン全書簡1816〜1830年――ポーランド時代』(共訳、岩波書店)などがある。

ポーランド古典文学叢書
[挽歌 Treny 《ポーランド文学古典叢書》第1巻]
[ソネット集 Sonety 《ポーランド文学古典叢書》第2巻]
[バラードとロマンス 《ポーランド文学古典叢書》第3巻]
[コンラット・ヴァレンロット 歴史物語――リトアニア人とプロイセン人の故事より 《ポーランド文学古典叢書》第4巻]
[ディブック ブルグント公女イヴォナ 《ポーランド文学古典叢書》第5巻]
[人形 《ポーランド文学古典叢書》第7巻]
[祖霊祭 ヴィリニュス篇 《ポーランド文学古典叢書》第8巻]
[ミコワイ・レイ氏の鏡と動物園 《ポーランド文学古典叢書》第9巻]
[歌とフラシュキ Pieśni i fraszki 《ポーランド文学古典叢書》第10巻]
[婚礼 《ポーランド文学古典叢書》第11巻]
 
小社刊のポーランド文学関連の著作物
[ポーランド文学史]


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ヴィトカツィの戯曲四篇
《ポーランド文学古典叢書》第6巻
スタニスワフ・イグナツィ・ヴィトキェーヴィチ 著
3,200円(税別)

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