未知谷の刊行物【海外文学】



 
プラテーロと私抄 アンダルシア哀歌
ファン・ラモン・ヒメネス 著 / 谷口江里也 訳
四六判並製256頁 2,000円(税別)
ISBN978-4-89642-571-0 C0098



ほら、夕陽が沈んでいく。
大きくて緋色で、目に見える神さまみたい。
あらゆる恍惚と共に現れ
そしてウエルバの先にある海の水平線の向うに去っていく
圧倒的な静寂の時、この世の至福。
この世っていうのはつまり、モゲールとその自然
そしてお前と私のことだよ、プラテーロ。
(本文「お城」(99)より)
 
空があり風があり太陽があり水があり
朝があり夕暮れがあり夜があり草や木や花がある。
そして子どもたちや街の人々。
そばにはいつも話し相手のロバのプラテーロ。
スペインの田舎の小さな街モゲールでの
たった一年足らずの出来事で構成された詩集。
 
本文中の挿絵はすべて訳者による描き下し。


目  次

プラテーロ(1)

夕暮れ時のいろんな遊び(3)

日蝕(4)
11 
託児所(6)
14 
ヘンナヒト(7)
17 
実ったイチジク(9)
19 
教会の鐘の音(10)
22 
気弱な気持ち(11)
24 
向かいの家(16)
26 
オツムの弱い子(17)
28 
紅い景色(19)
30 
オウム(20)
32 
屋上テラス(21)
35 
ドン・ホセ神父(24)
37 
春(25)
39 
地下水槽室(26)
41 
古池(28)
44 
四月の牧歌詩(29)
47 
カナリアが逃げた(30)
49 
自由(32)
51 
ハンガリーから来たジプシー家族(33)
53 
彼女(34)
56 
三人のおばあさん(36)
59 
小さな荷車(37)
62 
パン(38)
64 
アグライアー(39)
66 
丘の上の松の木(40)
68 
ダルボン先生(41)
70 
子どもと水(42)
72 
友情(43)
74 
可愛い歌声(44)
76 
結核(46)
78 
ロシオのお祭り(47)
80 
ロンサール(48)
83 
覗き箱のおじさん(49)
85 
みちばたの花(50)
88 
ロード(51)
90 
アンズ(53)
93 
聖体祭(56)
96 
散歩(57)
99 
黄昏時(59)
101 
スタンプ(60)
103 
あの女性と私たち(62)
106 
雀たち(63)
108 
夏(65)
110 
小川(67)
112 
日曜日(68)
114 
コオロギの歌(69)
116 
闘牛(70)
119 
葡萄の収穫祭(72)
122 
夜想曲(73)
125 
至福の午睡(75)
127 
植物園(77)
129 
月(78)
132 
喜び(79)
134 
鴨たちが渡っていく(80)
136 
小さな女の子(81)
137 
牧童(82)
139 
カナリアが死んだ(83)
141 
丘(84)
144 
秋(85)
146 
つながれた犬(86)
147 
十月の午後(88)
149 
摘みのこされた葡萄(90)
151 
アルミランテ(91)
153 
寸描(92)
155 
ウロコ(93)
157 
川(95)
159 
柘榴(96)
162 
古い墓地(97)
165 
リピアーニ(98)
169 
お城(99)
172 
古い闘牛場(100)
174 
こだま(101)
177 
古い泉(103)
180 
路(104)
183 
野生化した牡牛(106)
185 
大騒ぎ(109)
187 
炎(111)
189 
回復(112)
191 
夜明け(114)
193 
小さな花々 私の母に(115)
195 
クリスマス(116)
197 
リベラ通り(117)
200 
冬(118)
203 
澄みきった夜(120)
205 
パセリの冠(121)
207 
ロス・レイエス・マゴス(122)
210 
モンス・ウリウム(123)
213 
ワイン(124)
216 
カーニバル(126)
218 
レオン(127)
220 
塔(129)
223 
マドリガル(131)
225 
死(132)
227 
追慕(133)
229 
木挽き台(134)
231 
もの想い(135)
233 
モゲールの空の上のプラテーロへ(136)
235 
ボール紙のプラテーロ(137)
237 
故郷に眠るプラテーロに(138)
239 
この本について
242 
タイトル下の( )付数字は原書の通し番号を示す。

ファン・ラモン・ヒメネス [Juan Ramon Jimenez](1881〜1958)
スペイン、アンダルシア地方、ウエルバ県のモゲールで生まれプエルトリコ、サンファンにて没。1956年ノーベル文学賞受賞。『Platero y yo(プラテーロと私)』は彼の代表作。当初画家を志し、父の勧めでセビージャ大学で法律を学び始めるも1899年に中退。この頃から詩を書き始め新聞に投稿。1900年にマドリッドに行き二冊の詩集を出版。同年、最良の理解者であった父が急死。精神病を患いフランスのボルドーの病院に入院。1905年にモゲールに戻って療養。『プラテーロと私』はこの時の体験をもとに書かれた。1911年にマドリッドに戻り盛んに創作活動を行う。1913年カタルニア人の父とプエルトリコ人の母を持つセノビア・カンプルビ(Zenobia Camprub秩jと出会い1916年に結婚。1936年スペイン市民戦争の戦火を避けてキューバ、アメリカ合衆国などに移り住んだ後1950年以降プエルトリコに定住。1956年ノーベル賞受賞の直後に妻を亡くす。2年後にヒメネスも多作な生涯を終え共にモゲールに葬られた。
 
谷口江里也 [たにぐち えりや]
詩人、ヴィジョンアーキテクト。石川県加賀市出身、横浜国立大学工学部建築学科卒。中学時代から詩と哲学と絵画と建築とロックミュージックに強い関心を抱く。1976年にスペインに移住。バルセロナとイビサ島に居住し多くの文化人たちと親交を深める。帰国後ヴィジョンアーキテクトとしてエポックメイキングな建築空間創造や、ヴィジョナリープロジェクト創造&ディレクションを行うとともに、言語空間創造として多数の著書を執筆。音羽信という名のシンガーソングライターでもある。主な著書に『画集ギュスターヴ・ドレ』(講談社)、『1900年の女神たち』(小学館)、『ドレの神曲』『ドレの旧約聖書』『ドレの失楽園』『ドレのドン・キホーテ』『ドレの昔話』(以上、宝島社)、『鳥たちの夜』『鏡の向こうのつづれ織り』『空間構想事始』(以上、エスプレ)、『イビサ島のネコ』『天才たちのスペイン』『旧約聖書の世界』『視覚表現史に革命を起こした天才ゴヤの版画集1〜4集』『愛歌(音羽信)』『随想 奥の細道』『リカルド・ボフィル作品と思想』『理念から未来像へ』『異説ガルガンチュア物語』『いまここで』(以上、未知谷)など。主な建築空間創造に《東京銀座資生堂ビル》《ラゾーナ川崎プラザ》《レストランikra》《軽井沢の家》などがある。

小社刊のファン・ラモン・ヒメネスの著作物
[ヒメネス詩集]
 
小社刊の谷口江里也の著作物
[イビサ島のネコ]
[天才たちのスペイン]
[旧約聖書の世界]
[ロス・カプリチョス 視覚表現史に革命を起した天才ゴヤの第一版画集]
[戦争の悲惨 視覚表現史に革命を起した天才ゴヤの第二版画集]
[ラ・タウロマキア(闘牛術)/ロス・ディスパラテス
視覚表現史に革命を起した天才ゴヤの第三・四版画集
]
[随想 奥の細道 今こそ活きる芭蕉のヴィジョン]
[リカルド・ボフィル 作品と思想 RBTAの仕事を通して知る建築的時空間創造]
[理念から未来像へ 憲法を正しく読めばこんな国]
[異説ガルガンチュア物語]
[いまここで]
[メモリア少年時代]
[島へ]
[夢のつづき]
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[ギュスターヴ・ドレとの対話]
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[わかれみち ヴィジョンアーキテクトが見つめた歴史]
[福原義春さんとの対話]
 
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