未知谷の刊行物【哲学・思想】



 
関口ドイツ文法
牧野紀之 編著
A5判上製函入1552頁 15,000円(税別)
ISBN978-4-89642-404-1 C1084



関口文法とヘーゲル哲学の融合
意味形態文法を提唱した不世出の語学者・関口存男のドイツ語学を、ヘーゲル学徒の牧野紀之が包括的体系に纏めた。表現文法という視点を産み出し、三上文法との親近性も指摘。


目  次

まえがき

第1部 文法研究の方法
 
第1論文 個別言語を科学する  37
第2論文 ソシュールの「連想関係」  45
第3論文 意味形態論(1976年版)  53
第4論文 意味形態論(2010年版)  64
第5論文 物と事、または名詞と動詞と形容詞  77
 
第2部 理解文法
 
第1章 文
第1節 文の分類と文に関する用語  101
第2節 定形正置文  104
第3節 定形倒置文  117
第4節 定形先置文  121
第5節 定形後置文  128
第6節 属詞文  139
第7節 独立属詞句と分詞構文  203
第8節 不完全な文  211
第9節 錯構と移轍  220
第10節 文脈の理解  250
 
第2章 名詞
第1節 名詞の本質  255
第2節 名詞の形成  256
第3節 名詞の性  268
第4節 名詞の数  270
第5節 名詞の格変化(名詞の形)  274
第6節 名詞の種類  283
第7節 固有名詞  284
第8節 1格の用法  297
第9節 2格の形  314
第10節 2格の用法  325
第11節 3格の用法  346
第12節 4格の用法  356
第13節 連語と同語対立句  369
 
第3章 代名詞
第1節 総論  390
第2節 人称代名詞  392
第3節 人称代名詞のes  414
第4節 有形無意のes  421
第5節 指示代名詞  435
第6節 不定代名詞  445
第7節 定関係代名詞  452
第8節 不定関係代名詞のwas  480
第9節 不定関係代名詞のwer  489
 
第4章 形容詞
第1節 形容詞とは何か  493
第2節 形容詞の形と由来等についての注釈  494
第3節 形容詞の格語尾変化の原則  505
第4節 形容詞の格語尾の例外  508
第5節 格語尾を取らない場合  513
第6節 付加語形容詞の用法  517
第7節 付加語形容詞が複数ある場合  521
第8節 付置形容語句  532
第9節 属詞形容詞  536
第10節 形容詞の格支配  539
第11節 形容詞の限定  543
第12節 名詞化形容詞 →259頁の第2項
第13節 所有形容詞  544
 
第5章 数詞
第1節 基数  553
第2節 数詞+名詞  557
第3節 数詞+単位名詞+当該名詞  569
第4節 序数詞  574
第5節 分数及びその他  582
 
第6章 冠詞
第1節 総論  588
第2節 冠詞の形  594
第3節 定冠詞  595
第4節 不定冠詞  629
第5節 無冠詞  662
第6節 定冠詞と不定冠詞と無冠詞の使い分け  680
第7節 同格付置と冠詞  697
第8節 関係文の先行詞と冠詞  707
第9節 冠飾句  719
 
第7章 動詞
第1節 総論  724
第2節 定形の形(人称と数)  726
第3節 現在形  728
第4節 時制の一致  736
第5節 過去形  750
第6節 過去における未来の表現  754
第7節 現在完了形  763
第8節 過去完了形  778
第9節 直前の過去の表現  793
第10節 複合動詞  805
第11節 自動詞と他動詞と再帰動詞  810
第12節 不定形  826
第13節 分詞  857
第14節 動作相  872
第15節 搬動語法と結果惹起語法  887
第16節 命令法と命令文  892
 
第8章 話法の助動詞
第1節 総論  900
第2節   911
第3節   917
第4節   920
第5節   929
第6節 lassen  935
第7節   943
第8節   952
第9節   955
第10節   962
第11節   971
第12節 sollenとsollte(直接法過去)とsolle  976
第13節 sollte(接2)  988
第14節 werden  995
第15節   1002
第16節 wollen  1007
第17節 wollte(接2)  1017
 
第9章 接続法
第1節 総論  1020
第2節 接続法の形  1021
第3節 間接話法と接続法第1式  1023
第4節 要求話法  1028
第5節 接続法第2式の用法(その1、間接話法)  1032
第6節 接続法第2式の用法(その2、仮定話法)  1045
第7節 前提部の独立用法  1059
第8節 結論部の独立用法  1062
第9節 alsob  1080
第10節 esseidenn,dass...  1089
第11節 否定的意局の第2式  1094
 
第10章 副詞
第1節 総論  1100
第2節 副詞の由来  1101
第3節 副詞か形容詞か  1107
第4節 副詞の用法  1114
第5節 副詞の意味上の分類  1115
 
第11章 前置詞
第1節 総論  1130
第2節 格支配  1137
第3節 前置詞句を要求する動詞や形容詞  1141
第4節 用法  1142
 
第12章 接続詞
第1節 総論  1147
第2節 各論  1148
第3節 注釈  1168
 
第3部 表現文法
 
第1章 否定の表現
第1節 文の否定  1173
第2節 語句の否定  1190
第3節 2つ以上の事の否定  1201
第4節 否定の強調  1205
第5節 二重否定  1215
第6節 不必要なnicht  1218
 
第2章 問いの表現
第1節 決定疑問文  1223
第2節 規定疑問文  1232
第3節 二重疑問文  1241
第4節 付加疑問文  1246
第5節 反問文  1250
第6節 反語的疑問文  1260
第7節 自問文  1264
第8節 否定疑問文  1269
 
第3章 間投の表現
第1節 総論(呼びかけと間投)  1280
第2節 間投文の形  1281
第3節 間投的反語文  1292
 
第4章 譲歩の表現
第1節 対比文  1294
第2節 譲歩の副詞句  1295
第3節 従属文を使う  1296
第4節 独立文を使う  1301
第5節 その他の形式  1302
第6節 日本語の場合  1303
 
第5章 認容の表現
第1節 独立文形式による表現  1304
第2節 従属文形式による表現  1307
第3節 選択文形式  1314
第4節 語句だけによる表現  1317
 
第6章 受動の表現
第1節 動作受動  1320
第2節 状態受動  1324
第3節 自動詞の受動表現  1328
第4節 その他の受動表現  1330
第5節 日本語での受動文  1332
 
第7章 比較の表現
第1節 形容詞と副詞の比較級と最上級の形  1337
第2節 相対比較の表現  1338
第3節 同程度の表現  1344
第4節 絶対比較級  1347
第5節 相対最上級の表現  1352
第6節 副詞の絶対最上級形と用法  1361
第7節 最上級と冠詞  1363
 
第8章 伝達の表現
第1節 直接話法と間接話法の分類  1365
第2節 筆者が伝達であると断る  1367
第3節 扮役話法  1370
 
第9章 強調の方法
第1節 語句の重複等による強調  1386
第2節 配語法による強調  1391
第3節 評辞の強調  1401
 
第10章 断り書きの表現
第1節 概説  1422
第2節 各論  1423
 
第11章 配語法
第1節 文全体の配語法  1430
第2節 文の部分  1437
第3節 同類項の省略  1441
第4節 2つの目的語の順序  1446
第5節 2語一括における語順  1448
第6節 目的語の繰り返し  1450
 
第12章 主題の提示
第1節 提題の「は」  1457
第2節 見地的意局に関する概説  1475
第3節 主題のmit  1480
第4節 提題の「も」  1482
 
第13章 記号、発音、字母の伝え方
第1節 記号  1488
第2節 発音の諸問題  1501
第3節 字母の伝え方  1510
 
出典一覧
1513 
風刺詩「狼と犬」に思う あとがきに代えて
1521 
索引
1529 

牧野紀之 [まきの のりゆき]
1939年、東京に生まれる。1963年、東京大学文学部哲学科を卒業。1970年、東京都立大学大学院を卒業。
60年安保闘争の中で直面した問題と取り組み、ヘーゲル哲学を介して考える中で、生活を哲学する方法を確立した。大衆運動における「本質論主義」は教育実践の中で更に発展。
ドイツ語教師としての活動の中で、関口存男(つぎお)氏のドイツ語学を受け継ぐ。
近年、地域の自治会長として行政手腕を発揮。2011年4月の浜松市長選に「仮立候補」して、「学問的に正しい公約」を具体的に提示する。
ネット上の活動の中心はブログ百科事典「マキペディア」。そのほかに「絶版書誌抄録」などもあり。関口存男氏のラジオドイツ語講座の1957年度分もケロログに公開。これらへの入り口はみな、サイト「哲学の広場」。
なお、本書のための項目を「マキペディア」上に設けて、出版後に分かった誤植の訂正、読者からの質問や意見へのお返事等を掲載する予定。ブログ「マキペディア」等による社会的発言も活発に行っている。
 
主たる著書
『生活のなかの哲学』『哲学夜話』『囲炉裏端』『労働と社会』『ヘーゲルからレーニンへ』(以上、鶏鳴出版)『哲学の授業』『哲学の演習』『辞書で読むドイツ語』(以上、未知谷)『マルクスの空想的社会主義』『理論と実践の統一』(以上、論創社)
 
主たる訳書
『対訳初版資本論第一章及び付録』(マルクス著、信山社)『小論理学』(上下巻、ヘーゲル著、鶏鳴出版)『精神現象学』(ヘーゲル著、未知谷)再話『西洋哲学史要』(波多野精一著、未知谷)

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