未知谷の刊行物【国内文学】



 
宮沢賢治 童話のオイディプス
宮澤賢治 童話のオイディプス
高山秀三 著
四六判上製288頁 2,800円(税別)
ISBN978-4-89642-209-2 C0095



宗教への熱狂と醒めた理性
倫理と自然、超自我とエロス……
複雑に絡み合い迷路をなす賢治の内界――
極限のアイロニーで練り上げられた童話から
韜晦と謎に満ちた人間像を探る

 
ある種の人々にとって、賢治や太宰には独特の近づきやすさがあり、教祖的な牽引力がある。しかし、少なからぬファンが賢治に対して抱く親近感は、おそらく実際の賢治に接したとすればただちに瓦解するだろう。賢治の人となりは、死後七十年を超えた今日なお、わかりにくく謎めいている。それでも天才に付き物のこととして、賢治に峻烈をきわめた一面があり、不気味という評言があてはまる側面が多々あったことはまちがいない。死ぬまで童心をもちつづけた人、お茶目で純真で、透明で哀しいファンタジーの人というだけではないのである。(序文より)


目  次

序文

第一部 鷹の息子
13 
よだかの星――対人恐怖と理想主義
1 賢治の顔/2 自尊心と被害感情/3 醜貌恐怖/4 現実拒否の精神/5 価値の転換/6 自虐の仕組み/7 父子の確執/8 花巻における宮澤家/9 狸親爺と浄土真宗/10 一族の「罪」/11 みにくいあひるの子
13 
どんぐりと山猫――皮肉な教訓話
1 裁判好きの子供/2 正義を語る者の背理/3 アンデルセンの『かけっこ』
70 
第二部 社会生活
87 
猫の事務所――集団の力学
1 いじめの理由/2 戦いの放棄/3 『猫の事務所』のアイロニー/4 弟妹への屈折した思い/5 勤め人の生活
87 
蛙の消滅――友情の中身
1 嫉妬/2 なまなましい動物たち/3 冷たい疎隔
125 
第三部 愛のかたち
147 
土神ときつね――樹木を恋する詩人
1 神とけものと樹木の三角関係/2 土神の孤独と絶望/3 土神と賢治/4 惨劇/5 二者関係への渇望と不能/6 修羅と不良少年/7 女性への想い/8 性の忌避と禁欲/9 「健全」な家庭が性を抑圧する/10 『十六日』のエロティシズム/11 性的混乱と三角関係
147 
第四部 家族
219 
貝の火――宮澤賢治の家族小説
1 宝珠の試練と世俗道徳/2 密着した父子関係/3 紋切り型とエロス
219 
虔十公園林――裏返しのオイディプス
1 知的障害者のユートピア/2 虔十と家族/3 食の否定/4 「母」の役割/5 家族への遺言
235 
あとがき
281 

高山秀三 [たかやま しゅうぞう]
1954年東京生まれ。東京外国語大学卒業。東京大学大学院修士課程修了。ドイツ文学専攻。現在、京都産業大学大学外国語学部教授。著書に『クライスト/愛の構造』(松籟社)、『蕩児の肖像―人間太宰治』(津軽書房)。

小社刊の宮澤賢治の著作物
[黒葡萄 (くろぶだう)]
[気のいい火山弾]
[祭の晩]
[四又の百合]
[宮澤賢治歌集]
[紫紺染について]
[風の又三郎]
[とし子抄]
 
小社刊の宮澤賢治関連の著作物
[賢治歩行詩考 長篇詩「小岩井農場」の原風景]
[宮澤賢治×(かける)旭川 心象スケッチ「旭川。」を読む]


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宮澤賢治 童話のオイディプス
高山秀三 著
2,800円(税別)

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