未知谷の刊行物【国内文学】



 
結城信一 評論・随筆集成
結城信孝 編 / 荒川洋治 解説 / 田中淑恵 装幀 / 岡鹿之助 装画
四六判上製函入384頁 5,000円(税別)
ISBN978-4-89642-208-5 C0095



全集刊行から7年
補巻ともいうべき待望の
作家・作品論、珠玉の随筆

 
――そうなのだ。結城さんは、いつも青年の方角を好み、そこへと歩く人だったのだと思う。その小説は内向的であるゆえに、暗いかげりと傾きに終始し、他の作家にはない、あやうい特色をうったえたが、自分の文学を前へ先へと進めるよろこびはこうした文章のなかで、随筆のなかで、すなおなことばになった。……結城さんの随筆や評論には、いくつもの反発の種子をみてとることができる。小説では表明できないものを、静かにかかげている。(荒川洋治・解説より)


目  次

I 作家論 墨東綺譚

永井荷風 偏奇館焼亡/『墨東綺譚』前後/荷風の手紙一つ
室生犀星 室生犀星序説/室生犀星の一時期/初版本を蒐む/『かげろふの日記遺文』について
岡鹿之助 岡鹿之助ノオト/「雪の発電所」について/美のたまもの/岡鹿之助先生のこと/ある半日/『フランスの画家たち』と『雪國』
駒井哲郎 駒井哲郎の人と藝術/銅版画の詩人駒井哲郎/美しい黒の濃淡
會津八一 會津八一――英語の先生のころ/『山鳩』のころ
岩本素白 岩本素白
横光利一 『旅愁』小感
和田芳惠 死のインキ/『暗い流れ』について
山室静 山室静――つつましさ/『晩秋記』について
淺見淵 ちとせにて/淺見さんの歌集
吉行淳之介 短篇小説の新人群/奇遇――ある日、吉行さんと/『鞄の中身』について/『怖ろしい場所』について
庄野潤三 庄野潤三氏の魅力/「蟹」の前後/『屋根』について
吉田絃二郎 吉田絃二郎と一つの世代
石井潤 哀悼石井潤
小沼丹 唯一度の電話
 
II 書評
193 
會津八一『會津八一の書翰 第一巻』
井上靖『わが母の記』『額田女王』
井伏鱒二『スガレ追ひ』
円地文子『春の歌』
小沼丹『藁屋根』
耕治人『懐胎』
斯波四郎『緑の島』
庄野英二『赤道の旅』
田久保英夫『髪の環』
竹西寛子『鶴』
中里恒子『關の戸』
野呂邦暢『諫早菖蒲日記』
東博歌集『蟠花』
三浦哲郎『野』『拳銃と十五の短篇』
吉行理恵『記憶のなかに』
 
III 随筆
243 
街の外/鳩の行方/夏の巣立ち/上野へ一里/自分の中の風景/女の先生/「ルドン」への夢/ルソーの墓碑銘/十月/待つことをおぼえる/パンを盗む/ふろしき/たからさがし/夢の超特急/靴とハンドバッグ/蟹舟/西瓜幻想/立春まで/ポケットの煙草/南方特別留学生/敗戦國風景/四半世紀後の今/ある来客/川端さんの手紙/二つの作品の間/小説の中の好きな女/晩夏の信濃追分/緑の出口/樹木との交際/ある山村/小さな火/歳末/曇らぬ仲/消えた来世の古本屋/私淑/わがひとり居る/河井寛次郎の壺/憂愁の藝術
 
編者あとがき
365 
解説 荒川洋治
371 

結城信一 [ゆうき しんいち]
大正5年東京生まれ。早稲田大学英文科卒。教師生活を経て、戦後雑誌編輯に携わる。昭和23年「秋祭」で文壇デビューし、作家生活に入る。昭和55年老人と少女の交流を描いた「空の細道」で日本文学大賞受賞。寡作だが清澄な作風で熱心な支持者を得たが、昭和59年惜しまれつつ逝く。『結城信一全集』(全三巻/未知谷)、『セザンヌの山・空の細道――結城信一作品選』(講談社文芸文庫)などがある。

結城信一全集
[第一巻 1946―1956] [第二巻 1957―1972] [第三巻 1972―1983]


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書   名
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単 価
冊数
結城信一 評論・随筆集成
結城信孝編/荒川洋治解説/田中淑恵装幀/岡鹿之助装画
5,000円(税別)

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