未知谷の刊行物【海外文学】



 
アスファール
イレーヌ・ネミロフスキー 著 / 芝盛行 訳
四六判上製272頁 2,700円(税別)
ISBN978-4-89642-661-8 C0097



ユダヤ人の中でも“異邦人≠セった――医師ダリオ・アスファール
民族間、階級間、世代間、先住民と移民、オクシデントとオリエントの対立
フランス社会の退廃と精神の荒廃、その真っ只中で、
彼は彼がそうでしかありえない形で真剣に人生を生きていた
理解していたのは同じ出自の、妹のような妻――
「俺はもう汚点と悪を発見せずに人間の魂を見ることはできないんだ……」
 
900人以上のユダヤ避難民を乗せた豪華客船がハンブルグを出航。寄港先のキューバ、乗客が移住を希望したアメリカでも着岸を拒否され、止む無くヨーロッパに帰還した避難民たちはホロコーストの犠牲となった。1939年5月、あの忘れがたい「セントルイス号の航海」事件である。同年9月、ナチスドイツがポーランドに侵攻を開始、第二次世界大戦が勃発。
この同じ1939年、パリでイレーヌ・ネミロフスキーは「ユダヤ人」を真正面から取り上げた二つの長篇を世に問うた。
本作はそのうちの一篇である。


目  次

1 ダリオの窮地

2 良き夫、ダリオ
13 
3 異邦の街角で
24 
4 ロシア風バーレスク
29 
5 給仕長、マルティネッリ
39 
6 賭博狂、ワルド
46 
7 幻の女たち
58 
8 シルヴィとの出会い
62 
9 禁断の薬物
65 
10 ダリオの告白
74 
11 思いがけない事情
85 
12 分の悪い戦い
98 
13 雨中の訪問者
102 
14 エリナーの計画
108 
15 いかさま治療師
116 
16 極上の獲物
121 
17 治療の始まり
124 
18 Master of souls
132 
19 漁色家、ダリオ
135 
20 我が息子、ダニエル
138 
21 クララという女
142 
22 凄腕の使者
150 
23 共謀
160 
24 ラ・カラヴェルの秘密
166 
25 真夜中の会話
175 
26 母と子
182 
27 クララの追及
191 
28 ワルドの解放
198 
29 舞い戻ったワルド
206 
30 おしゃべり女ども
213 
31 丁度釣り合う相手
219 
32 死に至る病
224 
33 アスファール家の晩餐
235 
34 クララの死
242 
35 父と子
246 
36 旅路の果て
250 
訳者あとがき
257 

イレーヌ・ネミロフスキー [Irène Némirovsky] (1903〜1942)
ロシア帝国キエフ生まれ。革命時パリに亡命。1929年「ダヴィッド・ゴルデル」で文壇デビュー。大評判を呼び、アンリ・ド・レニエらから絶讃を浴びた。このデビュー作はジュリアン・デュヴィヴィエによって映画化、彼にとっての第一回トーキー作品でもある。34年、ナチスドイツの侵攻によりユダヤ人迫害が強まり、以降、危機の中で長篇小説を次々に執筆するも、42年にアウシュヴィッツ収容所にて死去。2004年、遺品から発見された未完の大作「フランス組曲」が刊行され、約40ヶ国で翻訳、世界中で大きな反響を巻き起こし、現在も旧作の再版や未発表作の刊行が続いている。
 
芝盛行 [しば もりゆき]
1950年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。訳業に、『秋の雪』『ダヴィッド・ゴルデル』『クリロフ事件』『この世の富』『アダ』『血の熱』『処女たち』『孤独のワイン』『秋の火』『チェーホフの生涯』『二人』(イレーヌ・ネミロフスキー、未知谷)。2008年以降、イレーヌ・ネミロフスキーの翻訳に取り組む。

小社刊のイレーヌ・ネミロフスキーの著作物
[秋の雪 イレーヌ・ネミロフスキー短篇集]
[ダヴィッド・ゴルデル]
[この世の富]
[クリロフ事件]
[アダ]
[血の熱]
[処女たち イレーヌ・ネミロフスキー短篇集]
[孤独のワイン]
[秋の火]
[チェーホフの生涯]
[二人]
[誤解]
[ジェザベル]


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アスファール
イレーヌ・ネミロフスキー 著
2,700円(税別)

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