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望郷の虹 寺山修司青春譜
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鎌田紳爾 著
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四六判上製272頁 2,400円(税別)
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ISBN978-4-89642-279-5 C0093
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早熟の高校生
寺山初恋の人
Yさん発見!!
彼女に宛てた
多数の手紙と
句に触発され
紡ぎ出された
青春純愛物語
『陸奥新報』連載小説に推敲加筆して世に問う処女作!
俳句小説としても愉しめる!!
彼女に宛てた書簡は勿論、書中にある未発表句も多数引用!!
「――故郷というのは、二度と帰ることのできないものであり、いつもさびしいものなのである」という寺山の言葉が、一般的には広く信じられていたのかも知れない。ところが、こと弘前においてはその事情がかなり違っていた。「ああ、寺山修司だば何回がオラホの学校さ来てらよ」とか「弘前の本屋でばったり出くわした」と、こともなげに言う人たちが少なくないのである。この小説のヒロイン百合のモデルであるYさんもそうした中の一人である。寺山が友人を伴ってトレンチコートを翻しながら彼女の通う女子高に現れたという話は直接Yさんご本人から伺った。そして、私は寺山が彼女に宛てた多くの手紙を、Yさんのご厚意で幸いにもじかに拝見することが出来たのであった。Yさん宛ての手紙には自作の俳句を数多く書いている。それは、寺山とYさんが俳句で結ばれた仲であったからに他ならない。それらの俳句を文中にも引用したが、未発表のものも少なくない。そのYさんに宛てた手紙をベースにこの小説は書かれたわけだが……(「あとがき」より)
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目 次
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頁
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第一章 されど流転
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5
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第二章 父還せ
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34
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第三章 梨の木の家の少女
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62
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第四章 父と呼びたき
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91
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第五章 遠き冬雷
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121
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第六章 頬燃ゆる
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149
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第七章 故郷遠し
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179
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第八章 虹のあと
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210
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最終章 望郷の果て
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242
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主要参考文献
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265
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あとがき
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267
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鎌田紳爾 [かまた しんじ]
洗足学園音楽大学音楽学部声楽科卒業。1985年からフランスに留学、パリ・エコ−ル・ノルマル音楽院声楽科演奏課程修了。ガブリエル・フォーレ国際歌曲コンクール入選。シャンソン歌手として活躍中。太宰作品の津軽語朗読会も積極的に行っている。訳書にCDブック『走っけろメロス』。著書に『北奥見聞録』、歌集『さひかち』ほか。弘前ペンクラブ会員。
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