|
|
|
|
父の法廷
|
アイザック・バシェヴィス・シンガー 著 / 桑山孝子 訳
|
四六判上製256頁 2,500円(税別)
|
ISBN978-4-89642-272-6 C0097
|
|
|
ノーベル賞作家I・B・シンガーの紡ぎ出す記憶の世界――
ラビの許、貧しくも敬虔に生きるポーランドのユダヤ街の人々
第二次世界大戦中、一九四三年ワルシャワのゲットー蜂起で消滅した
第一次世界大戦以前、古き良き時代のクロホマルナ通りへのオマージュ
人々の多様性と、困難な生活故になお心を揺さぶられ
「今ここ」を超えた永遠の故郷、ユートピアへの憧憬
に滔滔とよどみなく流れる時と、何とも譬えようのない
美しいものの横溢が感じられるノスタルジー掌篇集!
|
|
|
目 次
|
頁
|
訳者による前書き
|
1
|
ワルシャワへ
|
13
|
犠牲
|
21
|
ガチョウが悲鳴を上げるのは
|
32
|
破棄された婚約
|
40
|
身の毛のよだつ問い
|
48
|
洗濯女
|
56
|
プリムの贈り物
|
64
|
遺書
|
71
|
歓びの日
|
79
|
レブ・ハイム・ゴルシュコヴァー
|
88
|
トライトル
|
98
|
集金人になる
|
109
|
牛乳屋のレブ・アシェル
|
115
|
野牛を探して
|
124
|
離婚
|
135
|
サテンのコート
|
142
|
小さな哲学者
|
150
|
強い奴ら
|
158
|
サラエヴォの一撃
|
167
|
徴兵
|
174
|
飢え
|
182
|
かなわぬ望み
|
190
|
ビザ
|
198
|
旅
|
205
|
ビウゴライ
|
213
|
新しい友達
|
218
|
新しい風
|
225
|
解説 記憶の語り手 Singer
|
233
|
解説の付録 ユダヤ歴の一年と安息日
|
243
|
アイザック・バシェヴィス・シンガー
[Isaac Bashevis Singer](1904?―91)
本名をイツハク・ジンゲル(Yitskhok Zinger)、ポーランドはワルシャワ近郊の町、レオンチンに生まれる。生家は極めて宗教的で、ラビである父のピンホス・メナヘム(Pinchos Menahem)も、ラビの娘である母バテシェバ(Bathsheba)も共に敬虔なラビの家系に連なり、イツハク(Yitskhok)を含め四人の子供たちは家庭では揃って厳しい教育を受ける。1908〜17年の多感な幼少年時代を後にワルシャワゲットーとなる地域で過ごしつつ文学を志す。1935年アメリカに移住し、作家となる。
1978年ノーベル文学賞受賞。アメリカを代表する作家としての地位を築き上げてからも、依然として失われた共同体の言語であるイディッシュ語で物語を紡ぎ出し、戦前のユダヤ人の世界、わけてもその家族を作品中にとどめようとした。
桑山孝子 [くわやま たかこ]
千葉大学大学院文学研究科修士課程修了、関西学院大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。同大学文学部非常勤講師。専門は英米近現代詩、ユダヤ系アメリカ文学。特に拘るテーマは亡命、記憶と再生など。研究書は『英文学のディスコース』(北星堂、共同執筆)など。近年はヘブライ大学などで現代ヘブライ語を学ぶ。
|
|