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黒人彫刻
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カール・アインシュタイン 著 / 鈴木芳子 訳・解説
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四六判176頁 1,800円(税別)
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ISBN4-89642-118-3 C0071
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黒人芸術はマティス、ピカソ、ブラック、ヴラマンク、ドランらとその後の芸術界に決定的影響を与えたモダニズム芸術の基本書
コスモポリタンであったアインシュタインはアフリカ彫刻における直観は混じりけのない宗教的感情に基づくものであることを明らかにし、西欧美術の伝統から離れて個々の作品を偏見なく「観る」ことの必要性を説いた。本書『黒人彫刻』は人々を西欧の伝統的視覚から解き放ち、ヨーロッパ文化が幅をきかせ、教えてきたこととはまったく異種の芸術を明示したのである。その際、大きな役割を果したのは百を超える図版であろう。……『黒人彫刻』は卑小な自己保存の自意識に侵食されたヨーロッパの人々に、自然と豊かな協調関係にあるプリミティヴ・アートの存在を知らしめ、著者のアインシュタインは一躍この分野の先駆者、最初の最も影響力ある人物となった。『黒人彫刻』は新たな美学を人々に認知させたばかりでなく、その後の美術・民俗誌研究においても出色の貢献をしている。……(「解説」より)
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目 次
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頁
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序文
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5
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絵画的なもの
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12
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宗教とアフリカ芸術
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18
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立体的空間直観
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25
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仮面と変身
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39
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黒人彫刻
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45
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解説/年譜/参考文献
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157
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カール・アインシュタイン
1885年ノイヴィート生まれ、ユダヤ系。ベルリンで美術史・哲学を学び、小説家・美術史家・批評家として活躍。スパルタクス団蜂起の際にはバリケードに立つ。1928年パリに移住。1936年スペイン市民戦争に反ファシズムの闘士として参戦。1940年ドイツ軍によるフランス占領後、ゲシュタポの手に渡されるのを拒み、ポー川に投身自殺、7月5日のことであった。『ベビュカン』(未知谷)、『不屈のプラトン主義者』、『悪しき福音』他。ヘルツフェルデ兄弟やグロッスとともにダダ雑誌〈破産〉〈糞まじめ〉を編集。『黒人彫刻』は『二十世紀の芸術』と並んで、モダニズム芸術の基本書として高く評価されている。
鈴木芳子 [すずき よしこ]
1987年早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。ドイツ文学専攻・翻訳家。1999年ゲーテ・エッセイコンクール受賞(ドイツ語)。訳書にフォイトヒトヴァンガー『宮廷画家ゴヤ』(エディションq)、ヒュルゼンベック編著『ダダ大全』、カール・アインシュタイン『ベビュカン』(未知谷)他。『ベビュカン』によってマックス・ダウテンダイ・フェーダー・東京ドイツ文化センター賞2004年を受賞。
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