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ダダ大全
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リヒャルト・ヒュルゼンベック 編著 / 鈴木芳子 訳
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四六判上製288頁 2,800円(税別)
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ISBN4-89642-067-5 C0070
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閉塞した時代状況、時代の転換期に、ダダは雄叫びを挙げた。DADA!!
第一次大戦直後、荒廃し尽くしたヨーロッパに、原始性を体現して、ダダは躍り出た。DADA!!
既存の全てを否定し、新たなものの創造を猛々しく目指すそのムーヴメントは、詩、評論、寄席、芸能、演劇、音楽、美術、マスコミ、社会現象……すべてを巻き込んでいった。DADA!!
ダダとは何。それは愚問! 定義不可能たるべし。ダダは言葉・身体の端々に表れる精神の在り方。ダダは真の創造性故に物事から身を離し、流派を蔑し、教義を嘲る危険な前線。DADA!!
アラゴン、アルヒペンコ、アルプ、バーダー、ブルトン、デュシャン、エリュアール、エルンスト、ジャコメッティ、ハウスマン、ハルデコップ、メーリンク、ピカビア、リブモン=デセーニュ、スーポー、スティーグリッツ、ストラヴィンスキー、ツァラ……全てDADA!!
世紀の転換期には新たな雄叫びが…… DADA! DADA!! ⇒[書評1][書評2]
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目 次
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頁
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序文 リヒャルト・ヒュルゼンベック
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9
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チューリヒ年代記 トリスタン・ツァラ
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19
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ダダのある私的問題 ハンス・バウマン
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58
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表現主義は何を望んだのか? リヒャルト・ヒュルゼンベック
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67
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世界じゅうの新聞から寄せられた批評
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77
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ベルリン同時詩 ヴァルター・メーリング
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84
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人食いダダ宣言 フランシス・ピカビア
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90
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O[オー] G・リブモン=デセーニュ
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94
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飛行 マリア・ダレッツォ
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96
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トト・ヴァカ アドン・ラクロワ
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98
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エチオモンス アドン・ラクロワ
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99
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キャラバン(象の隊商) フーゴー・バル
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101
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ダダイズム論 ダイモニデス
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105
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暴露 ヴァルター・メーリング
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118
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大いなる夕べのプログラム
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146
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ダダ芸術 アレクサンダー・パルテンス
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150
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ドイツの偉大さと没落 バーダー
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158
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ダダ運動大統領各氏
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167
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ダダランド G・リブモン=デセーニュ
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169
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観客に寄せて G・リブモン=デセーニュ
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171
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私はジャワ島生まれ フランシス・ピカビア
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173
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五人兄弟 フィリップ・スーポー
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176
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トマトの花 フィリップ・スーポー
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177
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オランダからの声 シトロエン・ダダ
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180
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ドイツ最初のダダ講演 リヒャルト・ヒュルゼンベック
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183
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ガブリエル・ダヌンツィオ宛て ダダ電報
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189
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マダム・ラシルドへ フランシス・ピカビア
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191
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世界各地の新聞の批評より
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193
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ツバメの睾丸 ハンス・アルプ
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199
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ダダ宣言1918年 トリスタン・ツァラ
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203
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シャル・ウント・ラウホ[響きと煙] アレクサンダー・セキ
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219
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クラブ・ダダ宣言
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222
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Hado ダダ中央評議会
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225
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キャバレー・ダダ訪問 アレクシス
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230
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黒人ソング トリスタン・ツァラ
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236
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十月十二日 ポール・デルメ
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241
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ツバメの睾丸 ハンス・アルプ
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245
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芸術の客観性への回帰 ラウール・ハウスマン
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248
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雷雨 フィンセント・ウイドブロ
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255
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島を持てば… マックス・ゴース
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258
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そして正しく裁きなさい マックス・ゴース
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259
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諸君、バナナを食べる人たちとカヤックを操る人たちよ! ヴァルター・メーリング
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260
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風景 フィンセント・ウイドブロ
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264
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ダダ広告会社
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267
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ダダイストの明察
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270
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訳者あとがき
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276
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リヒャルト・ヒュルゼンベック [Richard Huelsenbeck]
1892年フランケナウ(ドイツ、ヘッセン)生まれ。作家・詩人・精神医。ダダの鼓手を自負し、1916年チューリヒ・ダダ結成に参加、騒音詩・同時詩の立て役者となる。ベルリン・ダダ運動発起人として多数のダダ雑誌を編集、クラブ・ダダ、ダダイズム宣言、ダダ巡業に参加。『進め、ダダ』『ダダは勝利する』『ドイツは没落するにちがいない』などを刊行し、ダダイズムの宣伝と国際化をはかる。最初のダダ詩集『幻想的な祈り』、小説『ビリッヒ博士の最期』。彼の最後の、そして最大のダダに対する貢献が本書『ダダ大全』(1920)である。のち、船医となって旅行記を執筆、ニューヨークで精神分析医として成功をおさめる。1974年ミヌシオ(スイス)にて死去。
鈴木芳子 [すずき よしこ]
1987年早稲田大学大学院文学研究科修士課程終了。ドイツ文学専攻・翻訳家。訳書にフリッツ『エロチックな反乱――フランチスカ・ツー・レーヴェントローの生涯』(筑摩書房、共訳)、メラー『運河沿いのフェルメールの家』、ペルッツ『レオナルドのユダ』、カシュニッツ『ギュスターヴ・クールベ』(いずれもクインテッセンス出版)他。1999年ゲーテ・エッセイコンクール受賞(ドイツ語)。
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