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ビリッヒ博士の最期
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リヒャルト・ヒュルゼンベック 著 / ゲオルゲ・グロッス 挿絵・挿画 / 種村季弘 訳
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四六判上製224頁 2,000円(税別)
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ISBN4-89642-070-5 C0097
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闇屋、悪徳官吏、資本家、偽善的慈善事業家、
ありとあらゆる戦争利得者が闇の中に犇めく。
小説の舞台は大戦中のベルリン。ダダはまだ誕生していない。ダダ以前の青春をいくぶん感傷的に回顧しながら、しかもその感傷をも正確に対象化して書き上げたヒュルゼンベックの自伝小説ともいえようか。(「解説」より) ⇒[書評]
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目 次
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頁
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第1章 どう人生を計画しようと人の勝手だが
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5
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第2章 ビリッヒすっかり女の虜になる
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41
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第3章 生きて、何度か試験を受けて
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89
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第4章 マーゴットとビリッヒの間では
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153
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解説 廃墟の大母神
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203
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リヒャルト・ヒュルゼンベック [Richard Huelsenbeck]
1892年フランケナウ(ドイツ、ヘッセン)生まれ。作家・詩人・精神医。ダダの鼓手を自負し、1916年チューリヒ・ダダ結成に参加、騒音詩・同時詩の立て役者となる。ベルリン・ダダ運動発起人として多数のダダ雑誌を編集、クラブ・ダダ、ダダイズム宣言、ダダ巡業に参加。『進め、ダダ』『ダダは勝利する』『ドイツは没落するにちがいない』などを刊行し、ダダイズムの宣伝と国際化をはかる。最初のダダ詩集『幻想的な祈り』、本書『ビリッヒ博士の最期』。彼の最後の、そして最大のダダに対する貢献が『ダダ大全』(未知谷)である。のち、船医となって旅行記を執筆、ニューヨークで精神分析医として成功をおさめる。1974年ミヌシオ(スイス)にて死去。
種村季弘 [たねむら すえひろ]
1933年、東京生まれ。東京大学ドイツ文学科卒業。
飽くなき知的関心は、思想・文学・美術から食味そして温泉まで無辺際に広がり、人間の様々な可能性を追求し続ける。 著書は『ナンセンス詩人の肖像』『パラケルススの世界』『種村季弘のネオラビリントス』(全8巻)等多数。
翻訳もルネ・ホッケ『文学におけるマニエリスム』、マゾッホ『毛皮を着たヴィーナス』、『パニッツァ全集』(全3巻)等多数。
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小社刊のリヒャルト・ヒュルゼンベックの著作物
[ダダ大全]
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