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東京まで、セルビア Srbija do Tokija
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高橋ブランカ 著
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四六判上製208頁 2,000円(税別)
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ISBN978-4-89642-514-7 C0093
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セルビア文学の新星 日本語作家としてデビュー
旧ユーゴスラヴィアは
セルビアの首都
ベオグラード大学
日本語学科で
山崎佳代子氏に
(『ベオグラード日誌』66回読売文学賞)
日本語を学び、来日
日本に帰化して18年
日本語作家として
日々研鑽怠りなく
満を持して登場!
東方正教の国セルビアで
無神論者であること
男性主導の世界で
女流であること
愛すこと愛されること
……………
持ち前の明るさと
民族的ユーモア精神で
人びとの悩みや秘密
死をまで描き尽くす
中短篇4作
「翻訳の問題を考えるとき、高橋ブランカ『東京まで、セルビア』はひじょうに興味深い。旧ユーゴスラヴィアのセルビアに生まれた著者は、ベオグラード大学で山崎佳代子に師事し、一九九八年に日本に帰化した。ロシア語で創作した作品を日本語やセルビア語に訳し、また日本語で書いたものをセルビア語やロシア語に自ら訳す(……)視点の自在さは、安定的な語りを求める読者をおそらくは不安に陥れる。固定的でない語りのゆらめき。しかしなんとも言えず魅力的でもある」
(江南亜美子さん、『本の雑誌』2017年2月号)
「ユーゴスラヴィアをめぐる思索のほぼずべてが戦争へと収斂していた90年代、それに意義を唱えたのは文学だった。(……)豊かな発想、繊細な抒情、あるいは激しい自己批判をもって、歴史、宗教、政治に翻弄される人間の生のあり方を探求した作品たちである。軽やかなユーモアと温かな人間観察によって織りなされる本作は、その流れに連なるといえるだろう。(……)世界文学という言葉が頭をよぎるところだが、そこにあるのは不定形であいまいな「世界」ではない。著者のなかに広がる、セルビアから東京までの確かな空間によって育まれた、彼女だけの文学である」(評者=奥彩子さん、『週刊読書人』2017年3月17日号)
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目 次
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頁
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月の物語
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5
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ハサン湖
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7
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しあわせもの
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30
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赤毛の女
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68
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選択
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113
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あとがき
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201
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高橋ブランカ [たかはし ぶらんか]
作家、翻訳家、写真家、舞台女優
1970年旧ユーゴスラヴィア生まれ。1993年ベオグラード大学日本語学科卒業。1995年来日。1998年日本に帰化。1998年〜2009年、夫の勤務で在外生活(ベラルーシ、ドイツ、ロシア)。2009年から東京在住。著書「最初の37」(2008年、ロシアで出版)、「月の物語」(2015年、セルビアで出版、クラーリェヴォ作家クラブ賞受賞)。
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