未知谷の刊行物【海外文学】



 
夜の声
ナタリーア・ギンツブルグ 著 / 望月紀子 訳
四六判上製256頁 2,500円(税別)
ISBN978-4-89642-499-7 C0097



初期の自選作品集より
代表作《ある家族の会話》につながる
三作品を厳選――。
 
この作品について詩人のエウジェーニオ・モンターレは次のように述べている。「……作者は自作のタイトルにはさほど関心がないようだ。彼女の関心はわれわれにゴシップやおしゃべりの通奏低音に支えられた物語を提供することにある。いかにも灰色の物語だが、それは、いったん目がその単調な色に慣れると、生き生きと輝く物語だ。こんにちのイタリアの作家で彼女のように調子を低くして決して写実の写真に終わらない作家はほかにいない。そして彼女のなかですべてが遠く、ガラスに守られて近づきがたいにもかかわらず、信じがたいほどに真実であること、彼女においてもっとも散文的なむき出しの悲嘆から詩が生まれることに興味をひかれる」(「訳者あとがき」より)


目  次

こんな風でした

わたしの夫
93 
夜の声
111 
訳者あとがき
243 

ナタリーア・ギンツブルグ [Natalia Ginzburg]
イタリアの小説家、劇作家。1916年、パレルモ生まれ。38年、レオーネ・ギンツブルグと結婚。40年、アブルッツォ州のピッツォリに流刑となった夫に従う。ここで第三子誕生。42年、第一作『町へゆく道』。44年、夫獄死。エイナウディ出版社入社。50年、英文学者ガブリエーレ・バルディーニと結婚。52年、『わたしたちのすべての昨日』。63年自伝小説『ある家族の会話』でストレーガ賞受賞。83年、独立左派の下院議員に選出。91年、ローマの自宅で死去。
 
望月紀子 [もちづき のりこ]
東京外国語大学フランス科卒業。イタリア文学。
主な著書:『世界の歴史と文化 イタリア』(共著、新潮社)、『こうすれば話せる イタリア語』(朝日出版社)、『ダーチャと日本の強制収容所』(未来社)、『イタリア女性文学史』(五柳書院)。
訳書:オリアーナ・ファラーチ『ひとりの男』(講談社)、ダーチャ・マライーニ『メアリー・ステュアート』(劇書房)、『シチーリアの雅歌』、『帰郷シチーリアへ』、『イゾリーナ』、『別れてきた恋人への手紙』(晶文社)、『澁澤龍彦文学館 ルネサンスの箱』(共訳、筑摩書房)、ナタリーア・ギンツブルグ『わたしたちのすべての昨日』(未知谷)、ほか。

小社刊のナタリーア・ギンツブルグの著作物
[わたしたちのすべての昨日]
[町へゆく道]
[小さな美徳]


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ナタリーア・ギンツブルグ 著
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