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加藤幸子自選作品集 第二巻
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加藤幸子 著
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四六判上製函入 544頁 5,800円(税別)
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ISBN978-4-89642-396-9 C0393
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加藤幸子自選作品集全五巻 ついに完結! 最終配本
少女「佐智」を主人公にした自伝的作品群・青春篇 第二巻
秘密は小説の書きかたにひそんでいます。どちらかといえば短い文章を整然と連ねてゆく端正さと、そして幼い作中人物のなかで揺れうごく情感をあからさまに曝けだすのではなく、いわば慎ましやかに抑える静謐さ……郷愁の調べはここでもときたま洩れてくるにすぎないし、佐智という少女のなかに起伏する幼い心の動きにも、どぎつい照明があてられるような部分はほとんど見あたりません。繰りかえすようですが、星の数ほどもある幼年小説にくらべて、それが際立って特異なところなのです。
(菅野昭正による「幼年の北京」より/本書月報に掲載)
*内容見本呈
*各巻八頁月報添
川西政明、川村湊、菅野昭正、谷村志穂、梨木香歩(五十音順)
著者自身による自伝風エッセイ(全五回)
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目 次
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頁
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時の筏
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7
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第一章 詩人の館
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9
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第二章 泉のほとり
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82
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第三章 さすらい
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141
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第四章 ぬば玉の
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202
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エピローグ
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250
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苺畑よ永遠に
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257
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第一部 雪山
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259
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第二部 苺畑
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394
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初出一覧
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532
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加藤幸子 [かとう ゆきこ]
1936年札幌市生まれ。41年両親とともに北京へ渡り、47年引揚船に乗り帰国。北海道大学農学部卒業。農林省農業技術研究所に勤める傍ら、「三田文学」に作品を発表。72年自然観察グループ「小池しぜんの子」代表として活動を開始。82年「野餓鬼のいた村」で第十四回新潮新人賞、83年「夢の壁」で第八十八回芥川賞、91年『尾崎翠の感覚世界』で芸術選奨文部大臣賞を受賞。鳥類学者樋口広芳、ピアニスト島田璃里とともにグループ「グリーンボックス」を立ち上げる。2002年『長江』で毎日芸術賞受賞。08年から財団法人北海道文学館顧問。
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