未知谷の刊行物【海外文学】



 
うさぎの恩返し
アンドレ・プラトーノフ 作 / イリーナ・ザトゥロフスカヤ 絵 / 児島宏子 訳
四六変型判上製56頁 1,600円(税別)
ISBN978-4-89642-384-6 C0097



少年と灰色うさぎ、無垢なる善良と歓喜の物語
 
この絵本の37ページを開いてみましょう。私たちをじっと見ている少年。向かい合っていると、彼の喜びが伝わってきます。お子さんがいらっしゃる方、接していらっしゃる方、もう子育てがとっくに終わった方も、彼と同じ年頃のみなさんも、少年から発してくる喜びと善意に満ちた光が感じられることでしょう。これこそが、民話の持つ力であり、再話したロシアの作家プラトーノフの、挿絵担当イリーナの強い思いだったのではないでしょうか。それは、私たちの、心からの願いにも重なることでしょう。
(「あとがき」より)
 
*挿絵25枚、総ルビ


目  次

うさぎの恩返し

訳者あとがき
49 

アンドレ・プラトーノフ
1899年ロシア、ヴォロネジ生まれ。社会主義建設の不条理を描く。第2次大戦後、帰還兵を主人公にした『帰還』を発表。ソ連軍人を中傷するという理由で攻撃され、不遇のまま51年に死去。60年代の雪どけ後に再評価が進んだ。代表作は『土台穴』『ジャン』等。
 
イリーナ・ザトゥロフスカヤ
1954年モスクワの画家の家庭に生まれる。幼少時から詩を創り絵を描くが、絵画とグラフィックを正式に学び、最初の個展は1989年のロンドン、以後世界各地で開催。2002年モスクワ美術家同盟よりディプロムを授与される。2012年「開港都市にいがた水と土の芸術祭」に招待され、作品を制作。フレスコ、絵画、陶器、書籍デザイン、詩作、刺繍等広範囲に活躍。作品は12カ国の美術館に収蔵され、個人コレクションも多い。本書の他、日本版オリジナル絵本チェーホフ・コレクションとして『ロスチャイルドのバイオリン』『大学生』『すぐり』『箱に入った男』『恋について』『モスクワのトルゥブナヤ広場にて』『ワーニカ』(未知谷)がある。
 
児島宏子 [こじま ひろこ]
映画、音楽分野の通訳、翻訳、執筆、企画に広く活躍。訳書に『アオサギとツル』『外套』、チェーホフ・コレクション『カシタンカ』『ロスチャイルドのバイオリン』『大学生』『可愛い女』『たわむれ』『すぐり』『少年たち』『モスクワのトルゥブナヤ広場にて』『いいなずけ』『ワーニカ』(未知谷)等。日本絵本賞(毎日新聞社)ほか受賞。


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アンドレ・プラトーノフ 作
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