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長塚節「土」の世界 写生派歌人の長篇小説による明治農村百科
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山形洋一 著
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四六判上製272頁 2,500円(税別)
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ISBN978-4-89642-292-4 C0095
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名品「土」を本当に愉しむ農業文学の試み
明治後期、子規を師事する歌人が精緻に描いた故郷
の農村生活を学際的地域診断の手法で読み解く試み。
細部に宿る日本の原風景……
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目 次
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頁
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まえがき
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1
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第1章 土色の象嵌
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13
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第1節 冷たい土に帰す
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14
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第2節 季節は土から動く
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21
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第3節 痩せてゆく土を骨まで噛む
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28
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第4節 土を覆う緑
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34
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第5節 土の小屋に隠居
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40
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第6節 軽鬆な土を空に捲く
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48
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第7節 土にひっついていた冬が去る
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52
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第2章 貧しさの目録
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57
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第1節 のどの孔を埋める粗食
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58
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第2節 たすきと手拭いのおしゃれ
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63
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第3節 畳と障子のない家
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70
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第4節 燃料の心配
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76
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第5節 農業、出稼ぎ、奉公、内職
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79
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第6節 徒歩での移動
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84
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第7節 遅すぎた治療
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87
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第3章 ムラ社会の優しさと干渉
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95
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第1節 ムラと近郷
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95
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第2節 葬儀は近所が出す
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104
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第3節 互助、義理、外聞
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108
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第4節 地主の庇護と恩恵
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115
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第5節 嫉妬深い「伴侶」たち
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121
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第6節 小悪女おつたと姻戚の役割
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123
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第7節 よそ者と世間師
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127
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第4章 性と諧謔
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133
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第1節 野合の風習
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133
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第2節 盆踊りのスキャンダル
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137
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第3節 母が手引きする駆け落ち
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145
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第4節 いたずらは若者の特権
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155
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第5節 女三代の愛嬌
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159
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第6節 老いた念仏衆の狂騒
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166
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第7節 「一人っ子」与吉の密告癖
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170
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第5章 藩政のなごりと押し寄せる近代
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174
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第1節 下総は水の国
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174
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第2節 高瀬船と野田の隆盛
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182
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第3節 農業改良の時代
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190
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第4節 急性伝染病の時代
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194
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第5節 両、貫、文への郷愁
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200
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第6節 行政村・岡田の近代
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203
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第6章 節が酷愛した天然
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210
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第1節 秋に怯えるモロコシとコオロギ
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213
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第2節 夏負けの庭
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217
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第3節 詠われなかった冬の疾風と、クヌギのごとき勘次
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220
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第4節 長歌「蛸」
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225
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第5節 ツユクサの青
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228
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付録
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233
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付録1 価格・費用一覧
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233
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付録2 内田吐夢監督の映画
『土』のセットに見られる道具類
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236
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付録3 映画『土』(監督・内田吐夢)の一シーン
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237
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あとがき
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245
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参考文献
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250
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Summary
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260xi
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索引
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270i
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山形洋一 [やまがた よういち]
1946年大阪生まれ。東京大学農学部卒、農学博士(応用昆虫学)。71年日本のNGOの手伝いでネパール滞在。72年インドを三等列車で周遊。インド復帰を夢見て国際協力の道を選び国際協力機構(JICA)や世界保健機関(WHO)の専門家として中米、アフリカで熱帯病を媒介する昆虫の駆除法開発に携わる。1991年よりJICAの国際協力専門員。2005年よりJICAのリプロダクティブヘルス・プロジェクトリーダーとしてインド滞在。主著に『面白く学ぶネパール語』(国際語学社)、共著に林俊行編『国際協力専門員 技術と人々を結ぶファシリテータたちの軌跡』(新評論)がある。
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