未知谷の刊行物【国内文学】



 
文藝批評 生の系譜 作品に読む生命の諸相
澤井繁男 著
四六判並製函入208頁 2,000円(税別)
ISBN4-89642-139-6 C0095



死を見据えて生の淵源を探る
機能障害という負を引き受け、現実に死と直面し続けた者の視線は人の命を〈寿命〉ではなく〈定命〉と捉える。それぞれの作家、作品に読み取れる生を、死の受容過程の中に位置付けつつ読む評論、「生とは何か」と問う20章。


目  次

第一章 否認と葛藤
 
 1 死の現場から――川端康成「禽獣」

 2 影絵としての生――和田芳恵「厄落とし」
19 
 3 「血」の始源――坂上弘「コネティカットの女」「台所」
28 
 4 躯と薔薇の花――吉行淳之介「暗室」
38 
第二章 憤怒と宿命
 
 5 賦活の場としての夢――増田みず子「夢虫」
52 
 6 ひくひくした生命――中上健次「草木」
62 
 7 生きること――大原富枝「婉という女」
71 
 8 甘い眠りの生――徳田秋声「町の踊り場」
79 
第三章 取引と祈念
 
 9 生気の復権――日野啓三「ふしぎな球」「石の花」
88 
 10 生のユーモア――安岡章太郎「蛾」
101 
 11 生きている〈声〉――宮本輝「五千回の生死」
110 
 12 文化の逆説的残酷さ――八木義徳「網走刑務所」
120 
第四章 抑鬱と喪失
 
 13 春の中の死――伊藤整「生物祭」
132 
 14 記録されなかった生死――梅崎春生「桜島」
141 
 15 「いのち」の塑像――石原慎太郎「水際の塑像」
149 
 16 生命の脱皮――古井由吉「哀原」
156 
第五章 受容と諦観
 
 17 明らかな生――島木健作「黒猫」「赤蛙」「むかで」「ジガ蜂」
168 
 18 浅黄色の生――外村繁「落日の光景」
179 
 19 生死逍遥――尾崎一雄「虫のいろいろ」
189 
 20 混沌とした生命――梶井基次郎「冬の蝿」
197 
  おわりに
205 

澤井繁男 [さわい しげお]
1954(昭和29)年、札幌市生。
東京外国語大学卒業。京都大学大学院修了。博士(学術)。イタリア・ルネサンス文化専攻。
小説「雪道」で、北方文藝賞受賞。
南イタリアの自然魔術の研究・紹介で、地中海学会ヘレンド賞受賞。
主な著作品に、『旅道』『時計台前仲通り』(編集工房ノア)、『実生の芽』(白地社)、『鮮血』『一者の賦』(未知谷)、『ルネサンスの知と魔術』(山川出版社)、『魔術と錬金術』(ちくま学芸文庫)、『イタリア・ルネサンス』(講談社現代新書)、『ルネサンス』(岩波ジュニア新書)、『ナポリの肖像』(中公新書)、『マキアヴェリ、イタリアを憂う』(講談社選書メチエ)、『臓器移植体験者の立場から』(中央公論新社)、『誰がこの国の英語をダメにしたか』(NHK出版)、『「ニートな子」をもつ親へ贈る本』(PHP研究所)などの他、著訳書多数。
現在、関西大学文学部教授。

小社刊の澤井繁男の著作物
[鮮血]
[一者の賦]
[天使の狂詩曲]
[「烏(からす)の北斗七星」考 受容する“愛国”]
[外務官僚マキァヴェリ 港都ピサ奪還までの十年]
[八木浩介は未来形]
[三つの街の七つの物語]
[安土城築城異聞]
[北区西ケ原 留学! できますか?]


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文藝批評 生の系譜
作品に読む生命の諸相
澤井繁男 著
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