未知谷の刊行物【国内文学】



 
小沼丹全集 補巻
小沼丹 著 / 庄野潤三,三浦哲郎,吉岡達夫 監修
A5判・布張上製・美装貼函入 720頁 8頁月報付き 12,000円(税別)
ISBN4-89642-134-5 C0393



本補巻には小沼丹の翻訳作品と未刊作品を収録する。
小柄な牝驢馬モデスチンを相棒に、南仏セヴエンヌ地方を十二日間かけて踏破した、若きスチヴンスンの愛すべき旅日記『旅は驢馬をつれて』ほか、名訳として知られる小沼丹の訳業七篇を収めて、小沼丹の英文学者としての業績を記録するとともに、単行本未収録の創作作品十七篇を追加収録する。この未刊作品には、小沼救の本名で発表された最初期の三篇も含まれている。
全集全四巻並びに単行本『風光る丘』(小社刊)と併せることにより、小沼丹のほぼ全業績が揃うこととなりました。


目  次

翻訳・翻案
 

旅は驢馬をつれて(R・L・スチヴンスン)(家城書房版、昭和25年刊)


一夜の宿 その他
一夜の宿(R・L・スチヴンスン)/ギタア異聞(R・L・スチヴンスン)/賢者の贈物(オー・ヘンリ)/最後の一葉(オー・ヘンリ)
119 

ガリヴァ旅行記(ジョナサン・スイフト、翻案)
209 

則天武后(林語堂)
297 
未刊作品
毛虫 505/尊き物 507/機関士 510/鳥打帽の男 514/M夫人の微笑 528/アメリカから来た男 543/クレオパトラの涙 555/手紙の男 572/古い画の家 590/ミチザネ東京に行く 608/奇妙な監視人 629/王様 641/白河にて 662/赤と黒と白 669/王冠泥棒――ブラツド大佐 690/脱獄の天才――ジヤツク・シエパアド 699/優雅な追剥――クロウド・デユヴアル 707
503 
解題
717 
補巻 月報
 こちらがわの道 多岐祐介
 沙羅の花から 平出隆
 エトランジエの含羞 久世光彦
 

小沼丹 [おぬま たん]
大正7年、東京生れ。昭和14年、明治学院在学中に「千曲川二里」を発表。井伏鱒二を訪問、爾来師事する。昭和15年、早稲田大学文学部英文科入学。昭和29年「村のエトランジェ」刊。昭和30年「白孔雀のいるホテル」刊。両表題作とも芥川賞候補となる。昭和33年、早稲田大学文学部英文科教授。「黒いハンカチ」刊。昭和44年「懐中時計」刊、読売文学賞受賞。昭和45年「不思議なソオダ水」刊。昭和46年「銀色の鈴」刊。昭和47年、早稲田大学在外研究員として半年間渡英。「更紗の絵」刊。昭和49年、ロンドン滞在記「椋鳥日記」刊、平林たい子賞受賞。昭和50年「藁屋根」刊。昭和51年「小さな手袋」刊。昭和53年「木菟燈籠」刊。「小沼さんの印象は最初のときも現在も、少しも変らない。作品はユーモアに渋味を増して、そして、いつも隣人の気安さでこちらを引きこんでくれる。小沼さんの私小説には、小沼さんの飾らない人柄がそのまま滲み出ている。近作の収められた『木菟燈籠』も、忘れ難い作品が多い」(島村利正)。昭和54―55年「小沼丹作品集」(全五巻)刊。「小沼丹を好む人が多くなって来ているという。それがみな文学の読み手としては年季の入った人ばかり…。何がそれほど惹きつけるのか。何が親しみと共感のうちにやがて深い喜びと安らぎをもたらすのだろう。誠実味だろうか。腕白とユーモアだろうか。決して愚痴をこぼさない男らしさだろうか。詩的感受性の細やかさだろうか。東西の文学、芸術から吸収して当人の気質に融け込ませてしまった教養の力だろうか。悠悠としているところだろうか。つまるところは才能というほかないのである」(庄野潤三)。昭和55年「山鳩」刊。昭和61年「埴輪の馬」刊。平成1年、日本芸術院会員。平成4年「清水町先生」刊。平成6年「珈琲挽き」刊。平成8年11月歿。平成10年遺稿集「福寿草」刊。
16年、未知谷より「小沼丹全集」全4巻刊、17年「風光る丘」刊。

小沼丹全集
[第一巻](品切れ)  [第二巻] [第三巻] [第四巻]

[風光る丘] [黒と白の猫]


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小沼丹全集 補巻
小沼丹 著
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