未知谷の刊行物【国内文学】



 
山村食料記録 1925―1933
森荘已池詩集 / 森三紗 解説・解題 / 入沢康夫 跋文
四六判上製208頁 2,000円(税別)
ISBN4-89642-086-1 C0092



宮澤賢治は、「あなたの作品の清浄さうつくしさ、いろいろな模様のはひった水精のたまを眼にあててのぞいてゐるやうな気がします。早く一冊にしてください」と書簡に認めた。
草野心平は、「散文詩」にいい作品があるから、「書け、書け」と激励し、『歴程』を送り続けた。
松永伍一は、「山村食料記録」一篇だけで、日本農民詩史に記録さるべき詩人であると書き残した。
平沢貞次郎は、『金蝙蝠』同人参加に際し、「森くんの詩や評論に就いては既に定評のあることで、健筆を奮って呉れそうであるから、期待して呉れ」と述べた。
 
早熟な詩才を発揮し、十歳ばかり年長の賢治をして「あなたを尊敬します」と言わしめた森氏の詩を披見し、一篇一篇で感嘆を久しうした。時期によりさまざまな(ときには前衛的な)形式が果敢に採用されているが、そこに一貫しているのは、人間社会の現実への鋭い凝視と批判である。その批判を、独特の底深いユーモアで包み、包むことで却って一そう辛辣な諷刺として提出する所に、その本領はあった。その一方で、森氏の作風には、人間社会にしっかりと足を踏みしめながら、けっして俗に染まらない《気品》《高貴さ》が、常につきまとっている。この出版が、作品の書かれてからの歳月を苦もなく飛び越えて、現在および後世への貴重な贈物となることを、私は確信し、喜んでいる。  「跋文」より ⇒[書評]


目  次

自伝の序詞

山村食料記録
18 
『校友会雑誌』
色彩美学 22/蝉 24/春秋諸相 29
 
『貌』
悲惨の蝸牛 31/悲痛の美学 34/鮎と美学 37/夏 41/鳩 49/鳩 53/鮎と蛍 57
 
『北日本詩人』
虹を製造する 62/夏――秋 65/風の子よ 69
 
『銅鑼』
青慓 72/第十三時に踊る 76/新古典派病む 79/枯れる 82/ガ死ににたもの 86/空洞 89/かびの生えた枕 91/酒 93/きんちやく 95/長屋 96/争闘 99
 
『金蝙蝠』
マニラの煙草 102/死馬生馬 106/百姓と小市民 112/芹と土工と小市民 118/色彩美学 125/或物語 129
 
『天才人』
石川善助 133/生ト死ト風景 140/詩ト骨ト文学 147/夢ト生物ト芸術 154/詩ト吹雪ト道徳 161
 
解説と解題(略歴)  森三紗
169 
跋文に代えて  入沢康夫
201 

小社刊の森荘已池の著作物
[浅岸村の鼠] [カエルの学校]


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書   名
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単 価
冊数
山村食料記録 1925―1933
森荘已池詩集
2,000円(税別)

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