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ル・アーヴルの愛 大戦下の物語
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ヴァレリー・トン・クオン 著 / 藪ア利美 訳
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四六判上製368頁 3,000円(税別)
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ISBN978-4-89642-676-2 C0097
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ル・アーヴルは、かつてヨーロッパで最も美しい港といわれ
モネが《印象、日の出》を描いた築港の街
しかし第二次世界大戦下、連合軍が上陸を目指す
ノルマンディー地方のこの港町は
英独両軍の爆撃で壊滅
アルジェリアまで疎開した多くの子供達がいた
この物語は、ル・アーヴルを舞台に、
避難命令の出た1940年6月10日から
子供達がアルジェリアから引き揚げてくる
1945年8月まで、二つの家族の7人と友人が
大人も子供も、それぞれが一人称で語るコーラス小説である
著者の母と祖父母はル・アーヴルの出身
地道な取材で沈黙する年長者の話を聞いて執筆
フランスでは読者賞をはじめ12の賞を受賞
戦時下、犠牲を強いられる一般市民の苦悩を克明に描く
(原題:par amour)
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目 次
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頁
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ルーシー 1940年6月10日 月曜日
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7
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ミュゲット 1940年6月
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26
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エメリー 1940年 夏
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57
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ジャン 1941年 冬
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86
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ミュゲット 1941年10月
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108
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ジョゼフ 1941年10月
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137
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ジョーフル 1941年12月
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163
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チュリオ 1942年1月
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181
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ミュゲット 1942年1月
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191
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ジョーフル 1942年9月
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214
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ジョゼフ 1942年11月
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234
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エメリー 1943年4月
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260
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ルーシー 1943年8月
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281
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ジョーフル 1944年6月
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296
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ジャン 1944年9月
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321
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マリリン 1945年8月
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343
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参考文献など
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353
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訳者あとがき
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360
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ヴァレリー・トン・クオン [Valérie Tong Cuong]
1964年パリ郊外生まれ。パリ大学、ソルボンヌ大学文学部で文学と政治学を学ぶ。8年間企業(マスコミ)で働いた後、執筆活動に入る。ロックグループを立ち上げ作詞ヴォーカル担当。家族は夫と3人の子供。
1)『ビッグ』1999年ナイル刊 2)『ガブリエル』1999年ナイル刊 3)『私の居場所』2001年グラセット刊 4)『フェルディナンドと偶像破壊者達』2003年グラセット刊 5)『暗黒の外』2006年グラセット刊 6)『救いの神』2008年ストック刊 7)『魔法のスレート』2010年ストック刊、フェミナ・ヴァージン・メガストール賞 8)『闘い』2011年モター刊 9)『奇跡のアトリエ』2013年ラテス刊、楽観主義賞、ヴァンドーム高校生によるロンサール賞、ニース天使のベイ賞 10)『許される者、許されざる者』2015年グラス刊 11)『ル・アーヴルの愛』(本書)2017年ラテス刊、マンス図書館賞、カーン科学技術文芸アカデミー賞、雑誌ボヌール賞、2018年セーヌ・マリティム読者賞、フランス読者賞など12の賞に輝く 12)『内なる戦争』2019年ラテス刊 13)『永遠のかけら』2021年ラテス刊
2021年フランス政府より芸術文芸部門のシュヴァリエ賞受勲。
藪ア利美 [やぶざき としみ]
1943年徳島県生まれ。大阪外国語大学(現大阪大学)卒。1967年パリ大学ソルボンヌ文学部IPFE(Institut de Professeurs de Français à l’Étranger)留学、1974年と2004年同養成所に復学。1977年ニューヨークコロンビア大学文学部で外国語教授法を学ぶ。2010年〜15年滋賀医科大学博士課程の留学生日本語教師。訳書に1)フランソワーズ・アンブレ『夜明けの散策』1997年人文書院刊 2)アニー・デュペレ『運命の猫』2002年人文書院刊 3)アルノー・ドネー『ナポレオン、島々の皇帝、流刑の皇帝』2005年東方出版刊 4)ルイ・マルシャン著『ナポレオン最期の日』2007年MK出版刊 5)ポール・コンスタン著『うちあけ話』2015年人文書院刊(ゴンクール賞)など。
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