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新装版 亡命ロシア料理
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ピョートル・ワイリ,アレクサンドル・ゲニス 著 / 沼野充義,北川和美,守屋愛 訳
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四六判上製232頁 2,000円(税別)
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ISBN978-4-89642-458-4 C0098
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アメリカとロシア、二つの文化の狭間に身を置いた亡命者のノスタルジアが、極度に政治化されたこの20世紀末に、イデオロギーを潜り抜け、食という人間の本音の視点から綴らせた料理エッセイ、機知に溢れた文明批評。(別丁レシピ付)
いま、料理は世界で最も普及した趣味となっている。ひょっとしたら、それは今日、どのような知的活動の分野においても、しっかりした基盤があまりにもわずかしか残っていないせいかもしれない。……いい料理とは、不定形の自然力に対する体系の闘いである。おたまを持って鍋の前に立つとき、自分が世界の無秩序と闘う兵士の一人だという考えに熱くなれ。料理はある意味では最前線なのだ。………… (本文より)
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目 次
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頁
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日本語版への序文
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1
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素晴らしきこの魂の高まり
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7
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1 壺こそ伝統の守り手
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11
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2 お茶はウォッカじゃない、たくさんは飲めない
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15
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3 シチーの香り
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19
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4 卵も殻だけでは三文の値打ちもない
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23
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5 帰れ、鶏肉へ!
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28
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6 それ、ソリャンカだ!
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32
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7 魚の呼び声
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36
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8 一〇〇%人生ジュース
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40
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9 流行らない美徳
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44
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10 ハルチョーをちょーだい!
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47
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11 シャルロートカはロシアの名前
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51
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12 反ユダヤの百合
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55
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13 カメレオンの昼食
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59
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14 失われた食欲を求めて
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63
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15 われらの水中生活
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68
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16 キノコの形而上学
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72
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17 ボトヴィニヤ攻防戦
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78
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18 自分の羊のところに帰ろう
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83
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19 クルコヴィの木で絞首刑!
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87
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20 ウハーはスープではなく満足への近道
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92
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21 母国語のように愛しいタン
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96
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22 ユダヤのペニシリン
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101
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23 サラダとサーロ
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105
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24 メンチカツの名誉回復
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110
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25 香りの冒険
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115
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26 肉なしスープで狼は満腹、羊は無事
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120
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27 なまけ者のためのペリメニ
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124
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完璧レシピ四皿分
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28 缶入りの貴族たち
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129
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29 漬け汁の中のふるさと
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134
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30 女性解放ボルシチ
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139
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31 皮つきの従兄弟
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143
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32 ピレネーの宴
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147
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33 癖も臭みもある異国情緒
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152
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34 仔牛肉のように優しく愛して
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157
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35 蒸されることの喜び
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162
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36 マグロは海の鶏ではない
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167
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37 毎日がお祭り
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171
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38 本物の偽ウサギ
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176
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39 酒をめぐる醒めた話
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180
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40 最初にして最後の料理
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184
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41 スメタナを勧めたな!
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188
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42 アメリカとロシア、その最大の違いは?
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193
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43 東は東、西は西、されどこの両者亡命ロシア人の食卓で出会う
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198
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44 食いしん坊に乾杯!
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205
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誰も知らない、とても美味しいロシア(訳者あとがき)
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210
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『亡命ロシア料理』新装版への後書き
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229
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ピョートル・ワイリ
1949年、ラトヴィアのリガ生まれ。旧ソ連時代には、ラトヴィアの新聞『ソヴィエトの若者』に勤務。2009年、脳梗塞のためプラハにて死去。
アレクサンドル・ゲニス
1953年、ロシア中部のリャザン生まれ。幼いころラトヴィアに移住し、リガのラトヴィア大学ロシア文学科を卒業後、同市でジャーナリストとして働く。
沼野充義 [ぬまの みつよし]
ロシア・ポーランド文学者、文芸評論家。主な著書『亡命文学論』『ユートピア文学論』『世界文学/世界文学へ』(以上、作品社)、訳書ナボコフ『賜物』(河出書房新社)、シンボルスカ『終わりと始まり』(未知谷)、編書『世界は文学でできている』(光文社)など。
北川和美 [きたがわ かずみ]
ロシア語通訳・翻訳者。東京大学大学院修了(現代ロシア文学)。訳書『ティルとネリ』(未知谷)。近刊M.Elizarov〈The Librarian〉訳。
守屋愛 [もりや あい]
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。現在、慶應義塾大学・お茶の水女子大学・早稲田大学非常勤講師。著書:『ロシア語表現とことんトレーニング』(白水社)、訳書:S. ドヴラートフ『かばん』(成文社)
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小社刊のピョートル・ワイリ/アレクサンドル・ゲニスの著作物
[亡命ロシア料理] (旧版・品切れ)
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