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タラース・ブーリバ
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ニコライ・ゴーゴリ 著 / 福岡星児 訳 / 井出彰 巻末随筆 / A・ゲラーシモフ 画
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四六判上製272頁 2,500円(税別)
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ISBN978-4-89642-420-1 C0097
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ロシア的反乱(ルースキイ・ブント)の源流
プーシキンの後を追い
時代精神の把握
民衆の歴史的役割の認識
国民的文学の創造を目指して
ゴーゴリが達成した
長篇歴史小説の傑作
ゴーゴリの選んだ手法は集中化である。具体的な特定の史実に立脚して、その歴史の波に弄ばれる主人公がラヴ・ロマンスを展開するというのではなく、どの特定の史実にも合致しない仮構の「史実」、いわば史実のヴァリアントを作り、そこに実在のどの人物とも具体的には合致しないが、もっとも時代の精神に生きた人物を配したのである。そのような人物がタラース・ブーリバであり、小説の事件は大体十七世紀に設定されているが、十六世紀、ときには十五世紀にも言及されていてかなりあやふやである(そういう意味では多少矛盾している点もある)。ゴーゴリが描き出そうとしたのは「過去の時代の精神」である。民衆の戦いのパトスであり、国民的、歴史的な性格、その豊かな色彩であった。(「解説」より)
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目 次
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頁
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1
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解説 福岡星児
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ゴーゴリ雑感 井出彰
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ニコライ・ゴーゴリ
1809年ウクライナ生まれ。代表作に故郷ウクライナを題材とした「ジカニカ近郷夜話」「ミールゴロト」など、ペテルブルクを題材とした「外套」「鼻」「検察官」などがある。1852年自らの断食により死去。
福岡星児 [ふくおか せいじ] (1926〜2003)
神戸市生まれ。北海道大学名誉教授。ウクライナ・キエフ大学に日本人として初めて留学。ポーランド文学にも造詣が深かった。
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小社刊のニコライ・ゴーゴリの著作物
[外套]
[鼻]
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