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パリ人論
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フレデリック・オッフェ 著 / 宇京頼三 訳
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四六判上製240頁 2,400円(税別)
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ISBN978-4-89642-285-6 C0098
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世界文化の中心――パリ
「光の都」、人々を魅する“パリ神話”
自由! ここでは全てが実現可能だ
昔も今も、未来も――芸術のメッカ
軽妙さ、ゴシップ、コネ、サロン、男色……
陰謀、党派、劣等・優等コンプレックス……
メトロポリスでありながら異邦人の町
アンビバレンツうずまくパリの魅力
アルザス人特有の懐疑主義的精神で本質を衝く
1953年発表のアクチュアルな名著
「この世にひとが在る限り、彼らは自己の内的世界に降りゆくためにこのパリという場を必要とするだろう。
本書冒頭で、パリは依然として宮廷都市のままであると言った。宮廷都市? なるほどそうかもしれない。だがその王は誰か、と我々は自問した。
今やそれに答えることができそうだ。
この王とは、ただの人間である。
この人間が救われていないのは本当だろう」
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目 次
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頁
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序文――ベルナール・グラッセから著者への手紙
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1
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序章
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19
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第1章 宮廷都市とパリ人
1 パリの小宇宙 31/2 感情的社会と党派 42/3 パリ人の行動様式と個人の優位 52/4 パリ的自由・腐敗・スキャンダル 63/5 パリ人とパリ的性格 74
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31
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第2章 パリの女性的性格とパリ的本能の病気
1 パリの女性的性格 86/2 パリ的本能の病気と男色家 98/3 文学におけるパリ的本能の病気と異常者のロマンティスム 112/4 文学における本能の病気(続き)――アグレジェの時代 128
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86
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第3章 パリのコンプレックス
1 パリ人の劣等コンプレックス 142/2 パリのマゾヒズムと外国人支配 152/3 パリの独裁と権力コンプレックス 166/4 パリ神話と虚言症社会 180/5 人間宮廷 196
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142
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後記
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215
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フレデリック・オッフェ [Frederic Hoffet] (1906―1969)
フランス・ロレーヌ地方モーゼル県に生まれる。ストラスブール、パリ、ニューヨークなどで神学、文学、法学を修める。父親の意向で牧師となったが、後に弁護士に。ナチの手を逃れパリ、カンヌなどに亡命。1945―46年ベルリン管理理事会情報担当少佐を務める。アルベルト・シュヴァイツァーは年長の友人。アルザス人特有の懐疑主義的精神で評論、小説、エッセーなど多数。最初の小説『ジョルジュ・ブリュックネールの劫罰』(1936年)でアルザス文学大賞受賞。評論に『アルザスの精神分析』(邦題『アルザス文化論』、1951年)など。
宇京頼三 [うきょう らいぞう]
1945年生まれ。1970年九州大学大学院修士課程修了。三重大学名誉教授。
主な著書『フランス―アメリカ――この〈危険な関係〉』(三元社)、『世界民族問題事典』(平凡社、アルザス関連八項目執筆)、『ストラスブール――ヨーロッパ文明の十字路』(未知谷)。主な訳書、F. オッフェ『アルザス文化論』(みすず書房)、E. フィリップス『アルザスの言語戦争』(白水社)、『アイデンティティの危機』(三元社)、P. リグロ『戦時下のアルザス=ロレーヌ』(白水社)、J. ロレーヌ『フランスのなかのドイツ人』(未来社)、E. トラヴェルソ『アウシュヴィッツと知識人』(岩波書店)『ユダヤ人とドイツ』(法政大学出版局)、Tz. トドロフ『極限に面して』(法政大学出版局)、ボードリアール/モラン『ハイパーテロルとグローバリゼーション』(岩波書店)、J. センプルン『ブーヘンヴァルトの日曜日』(紀伊國屋書店)、B. アンリ=レヴィ『アメリカの眩暈』(早川書房)、C. ファーブル=ヴァサス『豚の文化誌』(柏書房)など多数。
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