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昭和の短篇一人一冊集成 藤原審爾
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藤原審爾 著 / 結城信孝 編・解説 / 市瀬淑子 装幀・題字
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四六判上製函入336頁 3,000円(税別)
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ISBN978-4-89642-225-2 C0393
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残しておきたい短篇がある……
今思うと昭和には香りがあった――
短篇の名手各一冊、全五巻、函入愛蔵版
『昭和の短篇一人一冊集成』第三回配本!
「記憶に残る短篇小説は、クラシック音楽やジャズのスタンダード・ナンバーを想起させる。名篇と名曲。両者に共通しているのは短い時間のなかでリプレイが可能という利点と、何よりも長い歳月をくぐり抜けてきた耐久力にある。書棚から引っぱり出す一冊の作品集。お目当てのページを開く瞬間には心が躍る。この短篇セレクションは小説雑誌華やかなりしころの昭和の文化遺産であり、短篇小説の魔力を思う存分味わわせてくれる」(編者の言葉)
時代小説、ミステリ、ハードボイルド、恋愛小説、動物小説……
大衆小説〜中間小説〜純文学の隔てなく
「小説の神様」と呼ばれた藤原審爾――
浮世のしがらみは辛く切ない、芸者の恋模様、直木賞受賞作「罪な女」
中卒でなくても試験を受けられる――学校への小さな夢いじらしい希望「赤毛」
基地の街に住む最長老パンパン“お君姐さん”の艶笑譚「紅バラお君」
二度映画化されたチンピラと令嬢の純愛物語「泥だらけの純情」など
日本の小説を読みたかったら、藤原審爾一人で事足りる!?
といっても過言ではない、小説の名人の10作品収録!
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目 次
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頁
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罪な女
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5
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赤毛
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31
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殿様と口紅
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45
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泥だらけの純情
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61
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前夜
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109
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さかまき万子
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129
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鏡の間
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157
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真夜中の狩人
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191
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紅バラお君
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227
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繪本の騎士
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259
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解説
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309
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藤原審爾 [ふじわら しんじ] (1921―1984)
東京都生まれ。幼少時に父と死別。岡山県で旧家の祖母に育てられた。1940年に上京、青山学院に入学するが、肺結核を患って中退し帰郷。療養時に代表作となった「秋津温泉」を執筆。疎開中は井伏鱒二、後に外村繁に師事。52年「罪な女」ほか2篇で第27回直木賞、62年「殿様と口紅」で第9回小説新潮賞受賞。純文学から風俗小説、ハードボイルドや警察小説、動物小説、任侠小説、時代小説など長短篇を問わず幅広い作風を誇り「小説の名人」とうたわれた。弟子筋に江國滋、色川武大、山田洋次ら多数。女優藤真利子は長女。
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