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目 次
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prologue 1 飽和と蕩尽――自由であるためのフィールド
開高健のクローズアップ/了解困難な生活スタイル/封印解除の企み/もう一面のきだみのる/借金・蕩尽・逃亡は身についた技/フランスの空気を伝える美青年
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3
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prologue 2 キールン・函館・東京――旅の装備
ジョセフ・コット――人生の導き手/ホメロスと民族学/四十歳近い給費留学生/パリ、世界の中心都市で/モース教室での優秀生/“観察”を唯一の手法として
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第一部 マラケッシュまで
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1 パリ・ラバ――異空間への誘い
封印された代表作/『モロッコ紀行』の時代、禁書作家・ヴィオリス/大戦前夜のヨーロッパ、植民地の問題/北アフリカ、未知の文明の誘惑/リオテー政策
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2 大西洋の町々――統治のかたち
サレの娘、最果ての商人たち/植民地化のルート、本国資本の逃避/パレスチナ問題の予見/間接統治の要諦・三層構造の支配/流浪する少年・モロッコの母/コラージュの手法/緋色の戦士・バラカを宿す者
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3 マラケッシュ――ベルベルの栄光と後退
至上現実/優れた植民地統治とは/植民地化と文明化/アトラス――ホメロスの世界/ベルベル王朝の盛衰
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4 ウワザザット――暑熱の中へ
阿片政策への提言/光の空虚、心の歓び、旅のモチーフ/さらに間接統治の詳細/植民地支配――北アフリカと日本
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5 リサニ――沙漠に去った人々
名誉、自由、そして絶対不服従/『モロッコ紀行』出版のプロセス/キムラの手記、妻にとっての幸福とは/愛の論理/キムラとは誰か
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6 クサル・エス・スーク――自由の原理
統治政策/民族の発展は血の上にある/血を流すのは誰なのか/翼賛知識人への批判/自己革新による異文化受容
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7 東京――村への回路
旅/帰還の地は変わった/すでに村を見ていた/同行者・ファーブル/情事の挿話/飽和と蕩尽
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intermezzo モースの教室から
モース教室の日本人学生/ミカドの聖性と古代ギリシア/使者を殺害する文化、保護する文化/汚穢と祓穢、階梯と距離/ミカドはエンペラーではない/『美の呪力』と『気違い部落周游紀行』
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第二部 村へ
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1 深層の日本へ
本物の日本人との出会い/飢餓にさらされるとき/麦と稗とかたつむり/受容と排除とスパイ説
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2 ミニマルな生のあり方
共同の繁栄は望まれない/神の声より民の声/権力のかたち/選挙――祝祭と敗者の救済/いつまでも決定しないことの意味
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3 極限を共同で生きる原理
部落主義者への変身/ムラの制裁力/親方というもの/前代のコピー、集団性思惟/国にも優先する存続/村人の敵は村人/古制社会の諸現象/社会の最も強靱な基本単位として
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4 集落論の位置と範疇
集落モデルを普遍的な原理に/そこに内在する民主制/集落論の評価とその後/生き延びた集落論/仮説が到達していたところ/「公」は神威か民主主義か
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305
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小説のきだみのる
描かれたムラ八分/神木の伐採、入り乱れる欲望/“選挙”のテーマ/もうひとつの敗北/帰還なき航海者
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335
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きだみのる(山田吉彦)総合年譜
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i(364)
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