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マリーナ・ツヴェターエワ
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前田和泉 著
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四六判448頁 4,200円(税別)
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ISBN4-89642-179-5 C0095
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1910年、ギムナジウムに通う少女
マリーナ・ツヴェターエワ18歳
詩集『夕べのアルバム』を自費出版
一躍、文学大国ロシアの詩人の
寵児となり重要な位置を占めた
しかし、まだこの少女は
その後のカタストロフを知らない――
新しい時代の女性詩人の代表格として圧倒的な筆力で人々を驚愕させ、「女性詩人」のイメージを一変させたツヴェターエワ。第一次世界大戦、ロシア革命、第二次世界大戦……。苛烈な時代の栄光と挫折。時代に翻弄されながらも、生涯、多くの男性を愛し、別れをスプリングボードに詩へと昇華させ、また女性を愛し、タブーへ挑戦する。17年の亡命生活を経て故国ソ連に戻った彼女は、なぜ自殺しなければならなかったのか? 今を生きる我々を捉えて離さない、濃密な女性詩人の一生!
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目 次
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頁
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はじめに
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1
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第一章 詩人の誕生
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13
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第二章 アルス・アマトリア
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51
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第三章 革命
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105
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第四章 屋根裏部屋の詩人
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135
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第五章 異国にて(一)ベルリン・プラハ
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175
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第六章 異国にて(二)パリ
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251
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第七章 家族の肖像
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303
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第八章 詩人の死
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359
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エピローグ――あるいは、「母の原稿はどこですか?」
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413
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あとがき
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421
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主要参考文献 432/主要人名索引 438/略年譜 444
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前田和泉 [まえだ いずみ]
神奈川県生まれ。東京外国語大学ロシア語学科卒。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。現在、関東学院大、東京外国語大、立教大で非常勤講師を務める。ロシア文学専門。共著『詩女神の娘たち』(沓掛良彦編、未知谷、2000年)、訳書アンドレイ・クルコフ『大統領の最後の恋』(新潮社、2006年)。
マリーナ・ツヴェターエワ [Marina Tsvetaeva] (1892―1941)
プーシキン美術館設立に尽力したモスクワ大学教授の第三子としてモスクワで生まれる。18歳で自費出版した『夕べのアルバム』でヴォローシンらに認められ、一躍、時代の寵児となる。アフマートワ、マンデリシュターム、バリモントらが活躍した「銀の時代」の代表的女性詩人。20歳でセルゲイ・エフロンと結婚、長女誕生。夫がいながらも生涯多くの男性、女性と恋に落ちる。10月革命で白軍兵となった夫は行方不明、4年半別離を味わう。その間、次女を餓死で亡くす。1922年にベルリンを経由してプラハへ亡命。この頃、パステルナークとの交流がはじまる。ロジェーヴィチと恋に落ち、この恋の破局を契機に代表作『山の詩』『終わりの詩』が生まれる。待望の長男誕生するも、わがままに育つ。1925年、パリへ移住。晩年のリルケと交流。1939年、ソ連へ帰国。娘と夫が逮捕され、生活は困窮を極める。1941年、第二次世界大戦勃発後、タタールに疎開、8月31日縊死、享年48歳。
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