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永遠の自由人 生きている きだみのる
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北実三郎 著
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四六判208頁 2,000円(税別)
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ISBN4-89642-152-3 C0095
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「走れドブネズミ! 自由は好いものだよね! 生きるためにも、恋するためにも、それから死のためにも」
愛車ドブネズミ号で全国を駆け、地方の農村を実地に調査し、中国、ヨーロッパ、東南アジア、南氷洋にまでフィールドワークを広げ、生涯現役を全うした放浪作家・きだみのる。
「ところで、きだの遺した業績は、翻訳、文学作品もさることながら、何といっても、日本文化の根底にひそむもの『部落』を、根源的な原点として再発見し、机上ではなく行動的に、徹底的に分析究明した点で、柳田・折口にはない照明を、日本に当てたことが、高く評価される――」(杉村武「図書」昭和50年9月号)
フランスで社会学、民族学を学び、独自の識見と先見性をもつ行動・知識人は『気違い部落周游紀行』『日本文化の根底に潜むもの』などの名著をものし、ファーブル『昆虫記』、レヴィ・ブリュルの『未開社会の思惟』の翻訳者としても知られる。
きだみのるの晩年の時をともに過ごした毎日新聞記者が、きびしく自由・独立を生きた「孤高の自由人像」を、ありのままにあたたかな視線で描く。
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目 次
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頁
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はじめに
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1
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第一部 一所不住の放浪
1 雄勁の旅人との出会い/2 檀一雄との美しき友情/3「気違い部落よ、さようなら/4 世界部落連合のユメ/5 反俗、独立不羈の生涯
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9
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第二部 生きている きだみのる
1 根底者/2 大いなるファーブル『昆虫記』の訳業/3 若き対話者――仏文学者阿部良雄氏とともに/4 地方文化の根を掘れ/5 漂泊を海と石に刻む/6 詩をめぐる風景/7 にんげん そのままに/8 ジートルズ/9 客礼について/10 安藤昌益への執心/11 食魔
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89
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おわりに
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196
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あとがき
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201
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きだみのる略年譜
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203
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北実三郎 [きたみ さぶろう]
本名・佐藤章。1932年岩手県生まれ。毎日新聞東京本社地方部記者を経て、日本現代詩歌文学館建設に携わり、同文学館振興会副会長、同事務局長を歴任、2001年退職、現同評議員。日本ペンクラブ元会員。著書に詩集『結晶のノートルダム』『ゆき ふぶき ゆき』ほか、編著・刊に『井上靖晩年の詩業』『詩歌文学館ものがたり』などがある。岩手県北上市在住。
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