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フェイエトン ヤン・ネルダ短篇集
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ヤン・ネルダ 著 / 竹田裕子 訳・解説
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四六判240頁 2,400円(税別)
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ISBN4-89642-088-8 C0098
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世界遺産の古都マラーストラナを舞台に綴る、チェコ文学の至宝
フェイエトンはフランスに始まり全欧に流行した新聞の記事形式。文芸批評、ゴシップ、ファッション等々多彩な話題を軽妙で洒脱な文体と作者の個性で読ませることを特徴とする。フランスではゴーティエやサント・ブーヴ、大デュマなど、ドイツではハイネが著名。チェコでは生涯に2,000篇以上書いたネルダが白眉。彼はまた、フェイエトンを短篇文学の一形式にまで昇華し後の文学者に多大な影響を与えた。 ⇒[書評]
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目 次
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頁
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序
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1
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第1話 《三本の百合の家》
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13
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第2話 ヴォレル氏が海泡石のパイプをふかしすぎた話
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18
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第3話 河童
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28
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第4話 リシャーネクさんとシュレーグルさんの話
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42
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第5話 疫病神にとりつかれた物乞いの話
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62
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第6話 藪医者
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79
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第7話 心優しきルス夫人
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91
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第8話 聖ヴァーツラフ侯のミサ
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102
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第9話 オーストリアが滅ぼされずにすんだ話
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123
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第10話 今年の万霊節に書かれた話
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156
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第11話 夜の戯れごと
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176
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解説1 ヤン・ネルダとその時代
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201
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解説2 物語の舞台
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217
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訳者あとがき
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229
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ヤン・ネルダ [Jan Neruda] (1834―91)
ヤン・ネルダは19世紀のチェコを代表する文学者。古都プラハの歴史地区マラーストラナに生れ育った。政治的二重統治同様、ドイツ語とチェコ語の間で揺れ動いたが、母国語を選択し、覚醒者第三世代と呼ばれている。貧しい家庭ではあったが、教育熱心な両親の声に応えた彼は広範な知識と高い教養を身に付けジャーナリストとして出発し、詩人、作家としても活躍した。19世紀ボヘミア文化の中核を成す一人であり生涯フェイエトンを書き続けた。プラハ庶民の中に人間の根源からの声を聞いていたのであろう。彼の文学手法、特に短篇や旅行記の手法は、後に世界的に活躍したカレル・チャペック等に多大な影響を与えた。
竹田裕子 [たけだ ゆうこ]
1963年、早稲田大学第一文学部露文科卒。同年チェコ共和国カレル大学哲学部チェコ語科入学。1966年に同大を中退し、帰国。以後チェコ語通訳、翻訳等に従事し、現在は日本チェコ協会主催のチェコ語講座で教鞭も執っている。
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