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テーブルはテーブル
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ペーター・ビクセル 著 / 山下剛 訳
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四六判128頁 1,600円(税別)
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ISBN4-89642-074-8 C0097
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1970年、ドイツ児童文学賞受賞作!
名付けることによって物や事から言葉が離れ独り歩きを始める――
道に迷った言葉たち、内容を欠いた言葉の虚構
言葉は変容し、増殖しすり替えられる
それは物語の主題でもある
児童文学という既成ジャンルに仕掛けられた道化の鏡
子供は勿論、広く大人にも読み継がれている珠玉の七篇
文学あるいは言葉に関して実験的要素の強い作品だが
その各々が楽しく読める物語にまで昇華されている。
たとえば、Oの音にホレ込んだ男が行き着いたのは、
ヨオドクおぞそんほ をそろを とぞのと ころぞ。おぞそんほ おとものよお ほとど。をそろを おそと おぞそんの ところほ とぼを そよお。
(ヨードクおじさんは儂らを訪ねてくるぞ。おじさんは頭のいい人だ。儂らは明日おじさんのところへ旅をしよう)
前者故に受賞、後者故に読み継がれている。本邦初紹介。 ⇒[書評]
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目 次
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頁
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地球はまるい
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5
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テーブルはテーブル
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19
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アメリカは存在しない
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31
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発明家
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49
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記憶マニアの男
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59
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ヨードクからよろしく
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67
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もう何も知りたくなかった男
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79
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解説
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93
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訳者あとがき
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121
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ペーター・ビクセル
1935年スイスのルツェルン生まれ、オルテン育ち。ゾロトゥルン州で小学校の教職につくが、本書でドイツ児童文学賞受賞後は、フリーの作家としてゾロトゥルン州のベラッハに住む。寡作家であり、また小品の名手として知られ、作品は数多くの言語に翻訳されている。近年の作品に、「パリの町へ, 物語集」(1993)や「我々の郵便屋さんにはかなわなかった、コラム集1990年〜1994年」(1995)等がある。
山下剛
1957年、仙台市生まれ。東北大学大学院文学研究科(独文学専攻)博士前期課程修了。東北薬科大学講師。専門は、ドイツ近現代文学、東西文化交流史、比較文化論。主な論文に、「クレーメンス・ブレンターノと『少年の魔法の宝角』」(日本独文学会編『ドイツ文学』86号)、「ファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼルと歌曲」(東北薬科大学『一般教育関係論集』16号)等がある。
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