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ニガー・ヘヴン
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カール・ヴァン・ヴェクテン 著 / 三宅美千代 訳
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四六判上製304頁 3,000円(税別)
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ISBN978-4-89642-507-9 C0097
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ハーレム文学の究極の古典!
プリミティヴだわ! 野蛮だわ!!
ジャズやブルースが流れるキャバレーや闇酒場で
刹那的官能に身をゆだねるひとびと
ハーレム・ルネサンスと呼ばれる20年代の黒人文化
刺戟的リズムや激しい色彩を愛するこころ
黒人性を誇らしく思う図書館司書メアリーと
人種イデオロギーに捉われる作家志望のバイロン
二人の恋を軸に黒人社会の多様性を
アップテンポで鮮やかに描き
刊行時賛否両極に揺れた究極の古典
本邦初訳!クイア文学の嚆矢!!
「猥雑に沸き立つニューヨーク、ハーレムのナイトライフを群像劇として描き出した小説。(……)同時代の黒人権利回復運動家たちが言及しないでおきたかった側面があえて暴露されているわけで、それを白人の作家が書いたのだから物議をかもしたのは当然だった。しかも著者は、人種問題を主題化するあまり、作品が教条的になってつまらないから、ぼやぼやしてると白人作家に出し抜かれるぞ、とまで作中に書き込んだ。単なる過去の文学的記録ではなく、一筋縄ではいかない複雑な面白さのある小説であり作家であるとわかってくる。刺激しあう緊張感のある民族関係こそが創造性を生むと言っているようだ。(……)解説と注も充実しているが、この点でも目配りの効いた一冊と唸った」(旦敬介氏評「読売新聞」2016年11月20日号)
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目 次
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頁
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プロローグ
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5
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第一部 メアリー
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19
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第二部 バイロン
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169
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註
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283
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解説
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291
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訳者あとがき
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299
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カール・ヴァン・ヴェクテン [Carl Van Vechten] (1880〜1964)
アメリカ合衆国の作家、写真家。音楽・舞踊評論を手がける一方、ジャズ・エイジの世相を描いた小説を発表。二〇年代以降は黒人音楽・文化への愛着を深め、ハーレム・ルネサンスのプロモーター、パトロン的存在となる。著名人を被写体とした膨大な数のポートレート写真でも知られる。ガートルード・スタインの遺著管理者。
三宅美千代 [みやけ みちよ]
1979年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。専門は両次大戦間における英語圏文学・文化。共著書に『21世紀のD・H・ロレンス』(国書刊行会)、『ブラック・モダニズム――間大陸的黒人文化表象におけるモダニティの生成と歴史化をめぐって』(未知谷)がある。
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