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十三本のパイプ
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イリヤ・エレンブルグ 著 / 小笠原豊樹 訳
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四六判上製256頁 2,400円(税別)
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ISBN978-4-89642-460-7 C0097
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1920年代 アヴァンギャルドの旗手
13の掌篇
何気ないことばで重大な真理を
荘重な口調で滑稽な事柄を
やさしい声音で残酷な事実を
冷たい発音で愛らしい事物を
パイプを口にくわえるほどの者は、もっとも得がたい次の三つの美徳を身につけなければならないのである。
すなわち、司令官の大胆と、外交官の寡黙と、
賭博師の沈着。(「貴族のパイプ」より)
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目 次
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頁
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第1話 外交官のパイプ
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5
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第2話 コンミュン戦士のパイプ
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25
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第3話 ユダヤ人のパイプ
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47
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第4話 兵士のパイプ
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65
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第5話 貴族のパイプ
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77
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第6話 映画スターのパイプ
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89
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第7話 農場主のパイプ
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109
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第8話 船長のパイプ
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125
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第9話 ゴブル族のパイプ
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151
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第10話 狂人のパイプ
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171
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第11話 ふしぎなパイプ
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193
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第12話 信仰とパイプ
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223
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第13話 愛のパイプ
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233
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訳者あとがき
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251
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イリヤ・エレンブルグ
作家・社会評論家。1891年、キエフ生まれ。中学のときにボリシェヴィキの地下組織に参加して逮捕され、釈放後、パリに亡命。処女作は1922年の「フリオ・フレニトの遍歴」。詩、ルポルタージュ、小説、評論など、多岐にわたる執筆活動を繰り広げる。スペイン内乱、第二次世界大戦に従軍記者として、反ファシズムの痛烈な批判の筆をふるった。1967年死去。本書は1922年の作品である。
主な著作に「パリ陥落」上・下(新潮文庫)、「トラストDE」(河出書房新社)、「雪どけ」(角川書店)、「芸術家の運命」(美術出版社)、「わが回想 人間・歳月・生活」(朝日新聞社)。
小笠原豊樹 [おがさわら とよき]
詩人、作家、翻訳家。1932年、北海道生まれ。1956年、「独裁」で戦後詩の歴史に独自の領域を示す。過去の詩的概念にとらわれない自由な詩人として常に詩壇に新風を送りこんでいる。詩人名は、岩田宏。また英・仏・露に通じ、翻訳書が多数ある。詩集に「独裁」、「いやな唄」(書肆ユリイカ)、「頭脳の戦争」、「岩田宏詩集」(思潮社)。著書に「最前線」(青土社)、「社長の不在」、「踊ろうぜ」(草思社)、「マヤコフスキー事件」(河出書房新社)。主な訳書にソルジェニーツィン「ガン病棟」(新潮社)、ハンター・デイビス「ビートルズ」(草思社)、「トラストDE」、ジョン・リード「世界をゆるがした十日間」(筑摩書房)、マヤコフスキー叢書「ズボンをはいた雲」「悲劇ヴラジーミル・マヤコフスキー」「背骨のフルート」(土曜社)。
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