|
|
|
|
大尉の娘
|
アレクサンドル・セルゲーエヴィチ・プーシキン 著 / 川端香男里 訳 / S・V・ゲラーシモフ 挿画
|
四六判上製256頁 2,500円(税別)
|
ISBN978-4-89642-423-2 C0097
|
|
|
ロシア的反乱(ルースキイ・ブント)
= 民衆という「自然の猛威」の全面的解放
不条理で無慈悲な暴動を描き
レールモントフ、ゴーゴリ、
後のトルストイ、パステルナーク……
名だたる詩人たちに多大な影響を及ぼした
ロシア歴史小説の傑作
歴史小説『大尉の娘』は日本で最初に翻訳されたロシア文学作品であり、一人称の小説で、全体が主人公グリニョーフの視点を通じて語られる。それと並んで話を補い潤色し豊かにするのがおしゃべり大好きの三人の女性である。大尉夫人ワシリーサ・エゴーロヴナ、司祭夫人アクリーナ・パンフィーロヴナ、そしてマーシャである。話の最後には刊行者プーシキンが登場して、小説の各章にふさわしい題辞を自分がつけたと名乗っている。
民謡、俚諺、ことわざ、十八世紀作家からの引用から成り立っているエピグラフの世界はそれ自体十八世紀の時代の雰囲気を濃厚に醸し出しているだけではなく、章から章への快い歩みを助けてくれている。(「解説」より)
|
|
|
目 次
|
頁
|
第一章 近衛の軍曹
|
7
|
第二章 道案内
|
23
|
第三章 要塞
|
41
|
第四章 決闘
|
54
|
第五章 恋
|
72
|
第六章 プガチョーフの反乱
|
87
|
第七章 襲撃
|
105
|
第八章 招かれざる客
|
120
|
第九章 別離
|
136
|
第十章 町の包囲
|
145
|
第十一章 反乱の本拠
|
159
|
第十二章 孤児
|
178
|
第十三章 逮捕
|
191
|
第十四章 審判
|
205
|
附録 省略された一章
|
225
|
訳注
|
245
|
解説
|
248
|
アレクサンドル・セルゲーエヴィチ・プーシキン [Александр Сергеевич Пушкин]
1799年モスクワ生まれ。ギリシア・ラテンの古典からフランス、 イギリス、ドイツ、イタリア、スペインなどヨーロッパの過去の文学遺産をすべて取り入れながら、ロシアの国民性をその文学の中にくっきりと印した作品を達成し、現在でもロシアの詩聖として広く影響を及ぼしている。カラムジーンの始めたロシア文語の改革を引き継ぎ、民衆の言葉や民間伝承に保たれていたロシア語の美しさを生かして、芸術的表現力の豊かな近代文章語を創造したとも言われる。代表作『エウゲーニー・オネーギン』『ベールキン物語』など。1837年決闘で負った傷が元で死去。享年38歳。
川端香男里 [かわばた かおり]
1933年東京生まれ。東京大学卒。パリ大学留学などを経て東京大学、中部大学教授、川村学園女子大学副学長を歴任。元・NHKラジオロシア語講座講師。現在、川端康成記念会理事長。著書に『ユートピアの幻想』(1971)等、訳書にチェーホフ『桜の園』「世界文学全集」(1968)等、著書・訳書共に多数。
|
|