未知谷の刊行物【伝奇・大衆文学】



 
聖火燃ゆ 島原大秘録 第1部
生田蝶介 著
328頁 2,500円(税別)
ISBN4-915841-40-5 C0093



徳川初期、将軍を戦慄させた切支丹の物語。森宗意軒の暗躍を縦軸に天草・島原一揆へと展開する伝奇絵巻、島原大秘録第一部。


目  次


おきわと惣次郎/美しい想出の花野/火のつくような嬰児の泣き声/草の根から黒衣の人
12 

ふんづるのおぎん/毒草を燃した臭気/疑問の人貝原寛斎/眉に射す疑いの影
26 

泉水の底を潜る探番衆/鎧通が血に染って/植込に潜む怪しの人影/死に隣れる人の激情/山上遥かに編笠の士
40 

草叢から不意に一匹の獣/中巻は将軍家へ盗まれた!/燦然と輝く黄金の十字架/影のような伴天連の姿が/丑満時迄のおぎんの約束
55 

権十郎竹の久保の妾宅/庄八の素晴しい変装/空声が漸次に細って/草の中に黄色い灯が一つ/地下一面蜘蛛の巣のよう
69 

描かれた嬌姿を求めて/夜陰に鳴る鳴子の音/お身に礼を言いに来た/嵐の中に燃え上がる火柱
85 

丹次の堤の夜桜/嵐の底で妖魔の笑声/板戸の陰から伸びる手/扉に指す「でうす」の姿/衰えゆく陰惨な呻吟
100 

おきわは地上に倒れた/黒く燃ゆる貧婪の焔/荒れ狂う獅子のように/眼球は黒血に染って/永劫に暗黒の茅屋?
116 

嵐の奥で幽かな鐘の音/なに、六右衛門の家が!/地の底から起こる不安な顫音/絞られるような陰惨な悲鳴/おぎんが庄八の耳に囁く謎
131 
10
権十郎得意の突留の活法/煙りの中に朦朧と立つ人影/羆の蹲っているような焼死体/床下に慶長小判の壺が/紙片には『菖蒲園』の三字
146 
11
穴の中から幽かな祈祷の声/椿の木に彫まれた聖像/妖蠱屋棟を逼う/病人を背負って一散!/瞳の中に蒼穹より広い虚空が/屍体は銀色の光を発った
161 
12
灯影を求めて/刃より冷たい黒髪/涙に濡れた櫨紅葉/荒みゆく処女/第二の罪、第三の罪
183 
13
おきわ正しく「神」を見る/地獄の底まで響く大罪/長崎にペイロンの催し/肝を刳るような笑い声/股の肉を刳いでも/洞窟に聞き馴れぬ足音
203 
14
権十郎を離れ島に封じる/白磁の子育観音像/壺は常山、小判がぎっしり/心字池に黄金の橋/「神の書」を翻訳して
223 
15
四天の山の怪火/背後に女の幽霊が/草の実や蜂の子を食べて/不可思議なる一夜/見よ! 躄が立ちあがった
244 
16
雲からどっと火柱が立って/燃えるような夕日を背負って/おきわ母の霊魂を空に仰ぐ/神によって輝く村/寂しい種油売の影
265 
17
墓を発いて死骸を火刑に/門口に立った見知らぬ若者/一刻も早く海の上へ!/一斉に現れた白刃の襖/宇宙を燃えぬく大噴火
285 
解説
309 
解題
320 

島原大秘録
[第2部 妖説天草丸] [第3部 原城天帝旗]


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聖火燃ゆ 島原大秘録 第1部
生田蝶介 著
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