未知谷の刊行物【海外文学】



 
ジュリエット物語又は悪徳の栄え
マルキ・ド・サド 著 / 佐藤晴夫 訳 / 横尾忠則 装幀
1,044頁 9,600円(税別)
ISBN4-915841-02-2 C1097



自分自身に対する意識に目覚め、他人を憎悪する不安から逃れるために……エゴイズムの思想をその極北にまで推し進め甘美な背徳の世界を展開して現代の我々をすら不安に陥れる怪物サドの代表作。姉妹の物語の後篇=悪徳篇の完全翻訳。


目  次

第1部
パンテモン女子修道院の隠遁生活について……ジュリエットがデルベーヌ院長に誘惑されること……孤児となった彼女が最初に頼ったマダム・デュヴェルジェの宿の遊びについて……監賊ドルヴァルの展開する所有権論のこと……極端な道楽者ノアルスイユとの出会いと彼の趣味について……ノアルスイユが彼女の悪徳を鍛えること……ジュリエットが盗みの廉で逮捕されること

第2部
悪徳大臣サン・フォンのこと……ノアルスイユ夫人への残虐行為について……ジュリエットに付いた悪徳の女教師クレールウィルのこと……ナントの死刑執行人デルクールの哲学について……クロリス一族の惨殺と事件の顛末について……サン・フォンの来世における因果応報説について……クレールウィルの地獄の教義について……
199 
第3部
悪事友の会について……カルメル会の修道院での遊蕩について……ジュリエットの実父殺しについて……ベルモール伯爵の宗教撲滅計画のこと……愛に関する演説について……女魔術師デュランのこと……悪事を恐れ、サン・フォンの逆鱗に触れること……ジュリエットがロルサンジュ伯爵と結婚すること……シャベエル神父にすべてを託しイタリアへ逃走すること……アペニンの食人鬼・ミンスキーのこと
381 
第4部
ミンスキーのこと承前……フィレンツェについて……ドニ伯爵夫人の母娘殺し計画とその顛末……ローマについて……ジュリエットが同性愛女ボルゲエズ侯爵夫人と意気投合すること……アルバニ枢機卿とベルニ枢機卿の乱交について……グリロ侯爵夫妻の死について……司法長官の要請で施療院に放火すること……ジュリエットがヴァチカンで法王に謁見すること……法王ピウス六世の殺人に関する長広舌について
567 
第5部
システィナ礼拝堂における堕落した饗宴のこと……ジュリエットが仲間達と法王庁の財産を盗むこと……盗賊団に拉致されクレールウィルと再会すること……頭目ブリザ・テスタの館での無軌道な淫楽について……ボルゲエズ・クレールウィルと三姉妹と称して生活すること……お人好しのナポリ国王フェルヂナンドとマリー・アントワネットの妹シャルロット王妃のこと……ナポリ周辺における遊蕩と汚辱について
751 
第6部
王妃シャルロットを騙してナポリ国王の金貨を盗むこと……ボルゲエズをベスビオス火山の火口に投げ込むこと……再会したデュランに騙されクレールウィルを毒殺すること……卸売商人コルデリィの娘殺しと彼を殺して財宝を奪うこと……ヴェネチアでの気儘な生活について……官憲に追われてジュリエットがパリに逃げ帰ること……ノアルスイユの二重結婚について……不幸なジュスチーヌの死について……その後
845 
訳者あとがき
1037 

小社刊のマルキ・ド・サドの著作物
[ジュスチーヌ物語又は美徳の不幸]
[閨房の哲学]
[アリーヌとヴァルクール又は哲学小説]


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ジュリエット物語又は悪徳の栄え
マルキ・ド・サド 著
9,600円(税別)

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