未知谷の刊行物【国内文学】



 
詩人臨終大全
中川千春 著
四六判360頁 3,000円(税別)
ISBN4-89642-144-2 C0095



「死よ傲るなかれ」(ジョン・ダン)
「私の詩は死なない」(ホラティウス)
「すべて詩は墓碑銘」(T・S・エリオット)――
詩人たちの言葉は永遠の生命を帯びているのだろうか。
詩人とは果たして何者であるのか。
古代ギリシヤから二十世紀に至るまで、古今東西に詩人と称されてきた者たちが、いかに地上を去り、その名を刻んだか。人類の過去と未来を知るための、類例のない鴻範な終焉絵巻。


目  次

はじめに

I 鶴と鷲と火山と桶と
古代ギリシヤの詩人たち/エンペドクレースとその後/オルフェウス伝説について
13 
II 東西の大河
古代ローマの詩人たち/帝政後期/古代中国の詩人たち/秦から三国時代へ/西晋、六朝の残酷詩話
31 
III 草枕幾星霜
「初唐の四傑」の頃/盛唐から晩唐へ/日本の王朝詩歌人たち
57 
IV 内憂外患の巻
イスラムの勃興/十世紀から十二世紀の世界
77 
V 神の御名において平安を
十字軍あるいは聖戦の季節/恋人に食べられた詩人/モンゴルの世界制覇/ルネサンスと疫病と/大航海時代の詩人たち
95 
VI 死よ、傲るなかれ
十六世紀から十七世紀へ/絶対王政全盛期の詩人たち/十八世紀の文学世界/ロシアとアメリカの登場
129 
VII ロマン派とは何か
革命と結核と/ナポレオン戦争とデカブリストの乱/キーツ、シェリー、バイロン/決闘と頽廃
162 
VIII 世紀末の霊よ、安かれ
近代社会と破滅型詩人たち/「楽しき死者」/十九世紀の終幕に
195 
IX 二十世紀とは何だったか
「夢と希望の世紀」の到来/第一次世界大戦と戦争詩人たち
225 
X 世界大戦のはざまに
1920年代の狂瀾/亡命と詩人たち/1930年代の悪夢
242 
XI 旅の極北
鬱蒼たる墓標/第二次世界大戦の勃発/ホロコーストと粛清と/大戦の終結
265 
XII 果たして詩は不死か?
戦後に戦死した詩人たち/東西冷戦下に/1970年代以降の死
291 
むすびに
331 
人名索引
i(356)

中川千春 [なかがわ ちはる]
1961年3月、横浜生まれ。
慶應義塾大学文学部国文科卒。近代文芸批評を専攻。
詩集『全国の天気』(1989年、七月堂)
文芸評論集『詩とは何か―罵倒詞華抄』(1996年、思潮社)『言葉という果実』(2002年、朝文社)
ハンブルク市文化局主催「日本ヴィジュアル・ポエジー展」(ハンブルク、フランクフルト、ザールブリュッケン、ミュンヘン、ウィーン他で97年〜99年巡回開催)「ポエジア・トターレ展」(イタリア・マントヴァ、98年)、日本現代詩歌文学館主催「日独ヴィジュアル・ポエトリイ展」(99年)などに造形作家として参加。


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中川千春 著
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